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電気的不良位置特定解析とSEM/SAM観察の基礎マイコン講座 不良解析編(2)(4/4 ページ)

マイコンメーカーが作成する「不良解析レポート」を理解するために必要な基礎知識の習得を目指す連載「マイコン講座 不良解析編」。今回は、不良位置を特定する解析について紹介していく。

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超音波顕微鏡(SAM)による観察

 超音波の反射や透過を利用した顕微鏡を超音波顕微鏡(SAM:Scanning Acoustic Microscope)と呼ぶ。

 超音波は、物質に当たると、一部は反射し、一部は透過する。この時の反射波や透過波を画像処理したものがSAMである。反射波を利用した手法を反射法と呼び、透過波を利用した手法を透過法と呼ぶ(図5)。


図5:超音波顕微鏡(SAM) (クリックで拡大)

 光学的影響がないので、試料の表面だけでなく、内部の状態も観測することができる。また、非破壊で検査できることも大きな特長だ。

 具体的には、試料の内部に空隙(くうげき)があると透過波は発生せず、反射だけ観測される。したがって、ダイの剥離やクラック(割れ)などの異常を検出することができる。

SAMでチェックする内容

ダイの剥離やクラック(割れ)などの物理的な異常。

(第3回につづく)

筆者プロフィール

菅井 賢(すがい まさる)
(STマイクロエレクトロニクス マイクロコントローラ製品部 アプリケーション・マネージャー)

 日系半導体メーカーにて、25年以上にわたりマイコンの設計業務に携わる。その後、STマイクロエレクトロニクスに入社し、現在までARM Cortex-Mプロセッサを搭載したSTM32ファミリの技術サポート業務に従事。ARMマイコン以外にも精通しており、一般的な4ビットマイコンから32ビットマイコンまで幅広い知識を有する。業務の傍らマイコンに関する技術論文や記事の執筆を行っており、複雑な技術を誰にでも分かりやすい文章で解説することがモットー。


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