最大368ドットの液晶に対応した16ビットマイコン:セイコーエプソン S1C17M33
セイコーエプソンは、家電リモコンの液晶ディスプレイ表示向けに、16ビットフラッシュメモリ内蔵のマイコン「S1C17M33」を開発、量産出荷を開始した。端子の機能を変更することで、最大65本の汎用端子を持つマイコンとして使用できる。
5V動作のFA機器に対応
セイコーエプソンは2017年6月、家電リモコンの液晶ディスプレイ表示向けに、16ビットフラッシュメモリ内蔵のマイコン「S1C17M33」を開発、量産出荷を開始した。TQFP14-80ピンパッケージまたはベアチップで提供され、サンプル価格は320円(税別)。併せて、「S1C17」ファミリーの「S1C17M30」「S1C17M31」「S1C17M32」「S1C17M34」の量産も開始した。
S1C17M33では、入出力端子の機能を自由に割り当てられるUPMUX(ユニバーサルポートマルチプレクサ)機能を拡張し、液晶表示用の端子も汎用入出力端子に変更可能になった。端子の機能を変更することで、最大65本の汎用端子を持つマイコンとして使用でき、仕様の異なるさまざまな製品へ組み込むことができる。
最大368ドットの液晶ディスプレイを駆動し、5V動作のFA機器から電池駆動の家電リモコンまで広範囲なアプリケーションに対応する。動作電圧は1.8〜5.5V、消費電流はSLEEPモード時が0.2μA、動作時が160μA/MHzで、低電圧で低消費電流な動作により電池の長寿命化に寄与する。
また、1チップに赤外線リモコン出力信号の生成回路、3種類のシリアル通信機能、自己書き換え可能な96Kバイトのフラッシュメモリ、4KバイトのRAMを内蔵。12MHz動作時の内蔵発振精度は±1%で、外部の電源監視ICを必要としない電源電圧検出回路やリアルタイムクロックを搭載した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- そもそも「マイコン」って何?
マイコンを使いこなすために知っておくべき基本用語を毎回1つずつ取り上げて解説する新連載がスタート!! 第1回目の今回は、「そもそも“マイコン”って何?」という問い掛けから、マイコンの実態や応用分野、具体的な働きについて紹介します。 - いまさら聞けないMCU入門
私たちの身の回りにある、あらゆる装置に搭載されている「MCU」について、その概念をあらためて解説します。 - マイコン周辺回路設計テクニック ―― 電源編
マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、中級者から上級者の方からよく質問される「マイコン周辺回路設計テクニック ―― 電源編」です。 - 電源のマルチタスク処理を強化したマイコン
サンケン電気は2017年2月、デジタル制御電源向けマイコン「MD6603」を発表した。独自のマルチタスク処理用プロセッサ「EPU(Event Processing Unit)」を内蔵し、デジタル制御電源に必要な複雑なリアルタイム処理を低遅延で実行できるという。 - 不良解析レポートを理解するための基礎知識 ―― 一次物理解析&電気的特性評価
マイコンをより深く知ることを目指す新連載「マイコン講座」。今回から3回にわたって、マイコンメーカーが行っている「不良解析」を取り上げる。メーカーから送られてくる不良解析レポートの内容を理解するための、不良解析に関する基礎知識を紹介していく。 - 3つのマイコンポートで12個のLEDを駆動
今回は、マイクロコントローラのI/Oポートを3個使用して12個のLEDを駆動する回路を紹介する。