ニュース
高速スイッチングを達成、定格1200VのSiC MOSFET:リテルヒューズ LSIC1MO120E0080シリーズ
リテルヒューズは、定格電圧1200VのSiC MOSFET「LSIC1MO120E0080」シリーズを発売した。定格電流は25Aで、通常オン抵抗は80mΩ、最大150℃の温度で動作する。
定格電圧1200V、通常オン抵抗80mΩ
リテルヒューズは2017年10月、定格電圧1200VのSiC MOSFET「LSIC1MO120E0080」シリーズを発売した。同社は、パワー半導体分野の強化に向けて同年3月にモノリスセミコンダクターへ投資を実施。新製品は、このパートナーシップによって設計、開発、製造した最初のSiC MOSFETとなる。
定格電流は25Aで、通常オン抵抗は80mΩ。最大150℃の温度で動作する。駆動電圧は20、−5V、スイッチングエネルギーは330μJ、ゲート電荷は95nC。全温度常時オフ仕様で、Nチャネル構成、パッケージはTO-247-3Lを採用した。
高速スイッチングによりエネルギー効率と電力密度を大幅に向上する他、高温度下でも低スイッチング損失による高いスイッチング周波数を可能にした。これらの特徴を備えたことで、高周波スイッチングアプリケーションで利用できる。
同社では、太陽光発電用インバーター、スイッチモード電源、無停電電源装置(UPS)システム、モータードライブ、高電圧DC-DCコンバーター、充電器など電力変換システムでの用途を見込む。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 2〜40Aの定格に対応した1200V耐圧SiCダイオード
STマイクロエレクトロニクスは、2〜40Aの定格電流に対応した1200V耐圧のシリコンカーバイド(SiC)ジャンクションバリアショットキー(JBS)ダイオードファミリーを発表した。 - 1700V耐圧SiC-MOSFET、オン抵抗1.15Ωを達成
ロームは、産業機器向けに1700V耐圧のSiC-MOSFET「SCT2H12NZ」を開発した。産業機器で使用される1500V耐圧のSi-MOSFETに比べ、8分の1となるオン抵抗1.15Ωを可能にした。 - SiC、GaNパワー半導体対応の絶縁ゲートドライバ
アナログ・デバイセズ(ADI)は2017年5月23日、高いコモンモード過渡電圧耐性性能と低伝搬遅延を両立した小型の絶縁ゲートドライバ4製品を発表した。 - 1200V耐圧のSiCバイポーラトランジスタ、オン抵抗は17mΩ
フェアチャイルドがSiC材料で製造するBJT(バイポーラジャンクショントランジスタ)は、耐圧1200Vでオン抵抗が17mΩと低い。同様にSiCを使うJFETやMOSFETに比べて、スイッチング損失や導通損失が少ないという利点もあるという。スイッチング周波数が高いほど、それらの損失の差は広がり、BJTの優位性が大きくなる。 - 小電力から大電力まで対応する高耐圧MOSFET
インフィニオン テクノロジーズは、600Vのブレークダウン電圧で動作する高耐圧MOSFET「600V CoolMOS P7」「600V CoolMOS C7 Gold」を発表した。サーバや通信、太陽光発電、充電器などの用途で電力密度を高めることができる。 - パワーMOSFETを直流電子負荷に活用する
太陽電池アレイやバッテリーなどの電源の試験に、電子回路によって構成した直流負荷を用いるが、市販製品は高価なものが多い。パワーMOSFETをリニア領域で用いると、電子負荷を自作できる。