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故障保護機能を搭載したデータ収集システムDesign Ideas 計測とテスト(2/2 ページ)

感度の高いセンサーを用いたデータ収集システムは、故障状態に対応できるように設計する必要があり、システムを構成する部品の損傷を防止する工夫が求められる。そこで、感度の高い部品を信号経路の電圧過渡現象から保護する回路を紹介する。

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複数のセンサーでチャンネル保護を必要とする場合にも

 保護ICに搭載された回路は、双方向の故障保護および過電圧保護機能を提供する。従って、入力と出力を入れ替えて使うことも可能である。図3は正の過電圧が発生したときの保護回路各点の電圧とMOSFETの飽和状態を表す。


図3:過電圧発生時の回路状態 (クリックで拡大)
正の過電圧(20V)が発生したときの、チャンネル保護回路各点における電圧値とMOSFETの飽和状態を示した。クランプ電圧は13.5Vである。

 故障状態で発生する電流(IOUT)は出力負荷(RL)によってVCLAMP/RLに制限される(図4)。電源(VDDとVSS)がオフの場合には、IOUTの値はナノアンペア(nA)のオーダーに抑えられる。図5は、保護回路を3チャンネル内蔵した保護IC「ADG466」を使って、感度の高い計装用アンプの入力をセンサー故障から保護する回路である。


図4:出力負荷によって電流が制限される (クリックで拡大)
初段のnチャンネルMOSFETは、ドレイン電圧(VD)がゲート電圧(VG)からしきい値電圧を差し引いた値(VG−VTN)を超えると飽和状態に達する。このときのソース電圧(VS)はVG−VTNに等しくなる。この状態では、故障状態で発生する電流(IOUT)の大きさは出力負荷(RL)の値で決まり、VCLAMP/RLになる。

図5:計装アンプを保護する (クリックで拡大)
保護回路を3チャンネル内蔵したICを使って、高感度の計装用アンプ入力をセンサー故障から保護する。

 複数のセンサーを使ったシステムでチャンネル保護を必要とする場合は、故障保護を備えた4対1チャンネルアナログマルチプレクサーIC「ADG439F」が利用可能である(図6)。このICに集積されたマルチプレクサーは、nチャンネルMOSFETとpチャンネルMOSFET、nチャンネルMOSFETを直列に接続した入出力インタフェースを備える。故障状態が発生すると、このインタフェースが開放状態になり、出力回路と同様にセンサーや計装アンプを保護する。


図6:保護機能付きマルチプレクサーを利用する (クリックで拡大)
複数のセンサーを使ったシステムのチャンネルを保護する場合は、故障保護機能を備えたマルチプレクサーICを使う。

Design Ideas〜回路設計アイデア集

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※本記事は、2008年7月29日にEDN Japan臨時増刊として発刊した「珠玉の電気回路200選」に掲載されたものです。著者の所属や社名、部品の品番などは掲載当時の情報ですので、あらかじめご了承ください。
「珠玉の電気回路200選」:EDN Japanの回路アイデア寄稿コラム「Design Ideas」を1冊にまとめたもの。2001〜2008年に掲載された記事から200本を厳選し、5つのカテゴリーに分けて収録した。

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