汎用パッケージを採用したRFパワートランジスタ:NXP MRF101AN、MRF300AN
NXPセミコンダクターズは、汎用的なTO-220、TO-247パワーパッケージを採用したRFパワートランジスタ「MRF101AN」「MRF300AN」を発表した。筐体への垂直実装やプリント配線板(PCB)裏面への実装が可能で、ヒートシンクも簡素化できる。
汎用的なTO-220、TO-247パワーパッケージを採用
NXPセミコンダクターズは2018年6月、汎用的なTO-220、TO-247パワーパッケージを採用したRFパワートランジスタ「MRF101AN」「MRF300AN」を発表した。筐体への垂直実装やプリント配線板(PCB)裏面への実装が可能で、ヒートシンクも簡素化できるため、BOMコストなどを低減できる。
出力は、MRF101ANが100W、MRF300ANが300W。いずれも標準的なスルーホール技術を使ったPCBへの組み込みが可能で、はんだ付けのリフロープロセスを不要とし、コストを低減できる。
また、PCB材料を使用した2×3インチのレファレンスデザインの回路も提供。PCBレイアウトを変更しなくても、コイルとディスクリート部品を変更するだけで1.8M〜250MHzの周波数に適合できる。
MRF300ANは、40.68MHz時に330W出力をCW(連続発振)方式で供給する。ゲインは28dB、効率は79%を達成。堅ろう性が高く、65対1の電圧定在波比(VSWR)への耐性を備え、過酷な産業アプリケーションに活用できる。
また、MRF101ANのピンアウトのミラー版であるMRF101BNは、小型のプッシュプルレイアウトが可能になる。これにより、効率を維持したまま、広帯域アプリケーションに対応できる。
MRF300ANは現在提供中で、27MHz、40.68MHz、81.36MHz、230MHz向けのレファレンス回路を用意する。MRF101ANはサンプルを供給中で、量産開始は同年9月を予定する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 高周波数を実現したGaN RFパワートランジスタ
NXPセミコンダクターズは、携帯電話基地局で使用するドハティパワーアンプ向けに、48V窒化ガリウム RFパワートランジスタ4種を発表した。全体で1805MHz〜3600MHzの周波数をカバーする。 - 67%効率で750Wを出力できるパワートランジスタ
NXPセミコンダクターズは、50VシリコンLDMOSをベースにした、915MHzアプリケーション向けパワートランジスタ「MRF13750H」を発表した。915MHz時に、67%の効率で750W出力を提供できる。 - 最大65Vに対応する1800Wの連続波RFトランジスタ
NXPセミコンダクターズは、最大65Vまでの電源電圧に対応する新たなLDMOS技術を発表した。併せて、同技術をベースとした連続波(CW)RFトランジスタ「MRFX1K80」を開発し、サンプル提供を開始した。 - RFとマイクロ波用の高性能標準モジュール新製品
アナログ・デバイセズは2016年9月、RFとマイクロ波用の高性能標準モジュール「HMC-C582」「HMC-C583」「HMC-C584」「HMC7891」を発表した。全ての機能が統合された密閉式モジュールで、製品を設計する際の試作・実験プロセスを短縮するという。 - 基礎から学ぶRFスイッチ
RFスイッチの分野では、電気機械式、PINダイオード、GaAsといった従来型に代わって、バルクCMOS、MEMS、SOSなどを採用した新しい製品が徐々に増えつつある。これらは、従来のスイッチに比べて占有面積が小さい、寿命が長い、といったメリットを持つ。ただし、こうしたメリットに目を向けるだけではなく、それぞれの仕様が要件に合っているか否かを正しく見極めることが重要だ。 - 無線システムの通信距離を確保する
最新の無線通信規格を採用した機器を開発する場合、通信距離を確保するためには、送信器と受信器の末端部分に当たるRFフロントエンドの設計が重要となる。本稿では、まず、RF回路の設計に必要となる基礎知識についてまとめる。その上で、通信距離を確保するための設計上のポイントや、RFフロントエンドICの最新動向などを紹介する。