高精度アプリケーションに適した高電圧アンプ:日本TI OPA2810、OPA189、THS3491
日本テキサス・インスツルメンツは、高電圧アンプ「OPA2810」「OPA189」「THS3491」を発表した。テストや計測、医療、データアクイジションシステムなど、高速動作と精度が必要な産業用アプリケーションでの利用を見込む。
最大電源電圧は27〜36V
日本テキサス・インスツルメンツは2018年6月、高電圧アンプ「OPA2810」「OPA189」「THS3491」を発表した。テストや計測、医療、データアクイジションシステムなど、高速動作と精度が必要な産業用アプリケーションでの利用を見込む。
OPA2810は、最大電源電圧27V、帯域幅120MHz、JFET(接合型電界効果トランジスタ)入力のデュアルオペアンプだ。標準静止電流は3.6mA。オフセット電圧は最大500μV、ノイズ特性は5.7nV/√Hzと低く、データアクイジションや信号処理のアプリケーションで、高精度のシステム設計を支援する。
OPA189は、最大電源電圧36V、帯域幅14MHz、MUX(マルチプレクサ)フレンドリーなアーキテクチャのゼロドリフトオペアンプだ。無信号時電流は1.3mA。ノイズ特性は5.2nV/√Hz。最大0.02μV/℃の低ドリフト特性を持ち、較正なしでシステム精度の向上が期待できる。アナログ入力モジュール、電池やLCDのテスト機器など、ノイズに敏感な産業用システムで、高分解能の設計を支援する。
THS3491は、最大電源電圧32V、小信号帯域幅900MHz、出力電流±420mAの電流帰還アンプだ。200MHz、100Ω負荷時の出力は10Vppで、任意波形発生器、レーザーダイオードのドライブ回路や、高容量負荷を駆動するアプリケーションに利用できる。
1000個購入時の参考価格は、OPA2810は1.98米ドル、OPA189は0.96米ドル、THS3491は6.20米ドルから。OPA189、THS3491は量産出荷中で、OPA2810は同年7〜9月に開始する予定。
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