バッテリー寿命を延長するパワーマネジメントIC:マキシム MAX77714、MAX77752
Maxim Integrated Productsは、民生用アプリケーションのシステム効率向上に貢献する、パワーマネジメントIC「MAX77714」「MAX77752」を発表した。
低消費電力かつ機器の薄型・小型化に貢献
Maxim Integrated Products(マキシム インテグレーテッド プロダクツ)は2018年7月、民生用アプリケーションのシステム効率向上に貢献する、パワーマネジメントIC(PMIC)「MAX77714」「MAX77752」を発表した。1000個購入時の単価は、MAX77714が2.75米ドル、MAX77752が1.40米ドルとなる。
計算集約型アプリケーション向けのMAX77714は、4.1×3.25×0.7mmの70ピンWLPパッケージを採用。機器の薄型、小型化に貢献し、スタンドアロンのソリューションに比べてバッテリー寿命を最大40%延長する。出力電圧は0.26〜3.78Vで、スリープモード電流は85μA、ピーク効率は90%以上(3.6VIN、1.1VOUT時)を達成している。
9つの低ドロップアウトリニアレギュレーターを含む13のレギュレーターとリアルタイムクロック、バックアップバッテリーチャージャー、ウォッチドッグタイマー、電源シーケンス、8つのGPIOを内蔵する。
MAX77752は、活線挿抜機能を備えたマルチチャンネルPMICで、5×5×0.8mmの40ピンTQFNパッケージで提供される。フレキシブルパワーシーケンサーを内蔵し、ハードウェアまたはソフトウェア制御の起動に対応。高精度ブラウンアウトコンパレーター内蔵のバックレギュレーター、低ドロップアウトリニアレギュレーター、2つの専用負荷スイッチコントローラー、突入電流リミッター、出力イネーブル用の外部レギュレーター、バックアップ電源制御用の電圧モニター、ロジック制御用の専用デジタル出力リソースなどを集積した。
同社は、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)、ゲーム、ソリッドステートドライブ(SSD)、セキュリティ、産業用IoT(モノのインターネット)、ハンドヘルド機器、ホームオートメーションハブなどでの利用を見込む。
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