高精度測位用ICを活用したGNSSモジュール:STマイクロ Teseo-LIV3F
STマイクロエレクトロニクスは、高精度な測位用IC「Teseo III」を活用したGNSSモジュール「Teseo-LIV3F」を発表した。アプリケーション開発を簡略化するさまざまな機能を内蔵し、消費電力性能にも優れる。
STマイクロエレクトロニクスは2018年9月、測位用ICを活用したGNSSモジュール「Teseo-LIV3F」を発表した。9.7×10.1mmの18ピンLLCデバイスで、既に提供を開始している。
Teseo-LIV3Fは、複数の衛星測位システムに対応する高精度な測位用IC「Teseo III」、UART、I2Cインタフェース、最大16MビットのFlashメモリ、安定性に優れた温度補償型水晶振動子、32kHzのリアルタイムクロックを内蔵する。
バックアップバッテリーを使用せずに、ファームウェアの更新やデータの記録ができ、FCCおよびCE認証も取得済みだ。これらにより、効率的な製品テストが可能になり、車両追跡装置やドローン、運行管理システムなどのアプリケーション開発を簡略化する。
消費電力性能に優れ、高精度
Teseo-LIV3Fは、スタンバイモードで17μW、トラッキングモードでは75mWと消費電力性能に優れる。さらに、トラッキング感度が−163dBm、測位精度が1.5m(CEP:平均誤差半径)と精度も高い。
同モジュールは、GPSやグロナス、ガリレオをはじめとする複数の衛星測位システムにアクセス可能で、世界的な規模で、障害に強いナビゲーションを実行できる。米国、欧州、東南アジアなどの衛星航法補強システムや、米国海上無線技術委員会のディファレンシャルGPSなど規格化された補強システムにも対応するため、さらに精度を高めることができる。
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