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代替部品が見つからない減圧ポンプコントローラの修理 (電源編)Wired, Weird(2/3 ページ)

半導体デバイスの製造に使用される減圧ポンプコントローラの修理依頼があった。不具合内容は『スイッチ操作でモーターが動作しない』という内容だった。電源が関係した不具合と想定され、機器の取扱説明書も添えられていたので修理を引き受けることにした。というわけで今回は、この減圧ポンプコントローラの修理を報告する。

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DC電源の交換が必要だが、代替品がないので……

 DC電源のZD30-2405を交換する必要があるが、この電源は既に生産中止されていた。市場在庫が残されていないか、5つの商社に確認したがどこにも見つからなかった。また海外の部品サイトも調べたが在庫はなかった。生産中止のために今後も入手ができる可能性は低く、電源の交換はあきらめざるを得ない。そこで代替策として、正常なDC24V出力からDC-DCコンバーターでDC5Vを作ることにした。CPU基板の改造写真を図3に示す。


図3:CPU基板(改造後) (クリックで拡大)

 図3で上の赤四角のDC5Vの配線(黄色と黒)を外した。CPU基板の中央下にダウンコンバーターを追加しコンバーター基板の電源入力にDC24Vを接続し、電源コネクターの5V端子にコンバーターのDC5V出力の配線を接続した。拡大写真を図4に示す。


図4:配線接続部 (クリックで拡大)

 5V電源の改造後に、ポンプコントローラへ単相のAC200Vを通電すると、操作表示基板のLCD表示が点灯した。しかし、ディスプレーにはエラーが表示された。取扱説明書でエラーの内容を確認したら逆相接続のエラー表示だった。三相電源は接続していないので正常なエラー表示であり、CPU基板は正常に動作しているようだ。

 修理依頼主から預かった取扱説明書には機器内部の接続の様子も記載されていた。インターロックの接続を確認し、4つのセンサーと逆相検知リレーの接続先が分かった。これらのセンサー信号を仮の配線でジャンパーし正常状態にして通電すると、無事にエラー表示が消えた。

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