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「ファンクションジェネレーター」とはファンクションジェネレーターの基礎知識(1)(4/6 ページ)

信号発生器、発振器の一種である「ファンクションジェネレーター」について、使用する上でぜひ身に付けておきたい基礎的な知識を解説していこう。

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DDS方式ファンクションジェネレーターの構造

 現在、よく使われているエヌエフ回路設計ブロックの「WF1974」(図10)を例にとって実際のファンクションジェネレーターの構造を説明する。

 WF1974は2出力で0.01μHzから30MHzまで任意波形を含むさまざまな波形を発生できるDDS方式のファンクションジェネレーターである。変調機能、トリガー機能、スイープ機能だけではなく、波形、周波数、振幅などのパラメーターをプログラムして順次出力するシーケンス機能を持っている。


図10:マルチファンクションジェネレーター「WF1974」(2006年) 提供:エヌエフ回路設計ブロック

 WF1974のブロック図は図11の通りである。2出力のファンクションジェネレーターであるため、アナログ部は同じ回路が2系統ある。


図11:エヌエフ回路設計ブロックの「WF1974」のブロック図 提供:エヌエフ回路設計ブロック

 WF1974は大きく分けて波形を発生させるアナログ部、パネルや外部からの制御信号を本体に伝えるシステムコントロール部、電源部に分かれている。

アナログ部

 アナログ部は波形発生を行うDDS回路と出力アンプおよび変調入力回路、同期信号出力回路によって構成されている。DDS回路は20MHzから作り出した120MHzの固定周波数クロックで動作している。

 アナログ部はチャンネルごとにそれぞれケースから絶縁された状態になっているため、接続される対象物からのコモンモード電流の流れ込みはない。ただしケースと出力端子間のコモンモード耐電圧は最大42Vpk(DC+ACpeak)になっているため注意が必要である。

システムコントロール部

 システムコントロール部にはマイクロプロセッサが搭載されており、パネルにあるキーボード、通信ポートから得られるコマンド、トリガー信号に従ってファンクションジェネレーター全体を制御している。DDSクロックの基準となる20MHzの源振を持っており、アナログ部に供給している。

電源部

 WF1974の電源部はグローバル仕様になっており、90Vから250Vの交流電圧に対応している。

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