ファンクションジェネレーターの機能と周辺機器:ファンクションジェネレーターの基礎知識(2)(3/4 ページ)
ファンクションジェネレーターはさまざまな波形を連続発生するだけではなく、外部信号によって変調や発生制御を行うことができる。ここではファンクションジェネレーターが持つ機能について解説する。また、ファンクションジェネレーターと合わせて使われる増幅器やフィルターを紹介する。
ファンクションジェネレーターの拡張機能
ファンクションジェネレーターの基本機能はアナログ方式ファンクションジェネレーターからある機能である。DDS方式ファンクションジェネレーターになってからは新たに自由に波形を作ることができる任意発生機能や、複数の波形をリアルタイムに接続して複雑な波形を発生するシーケンス発振機能が実現できるようになった。
任意波形発生機能
関数で定義できる波形やオシロスコープや記録計など波形測定器で得た波形を再現させて実験や検査などを行う場合に使う機能である。
簡単な任意波形の作成であればファンクションジェネレーター本体で行えるが、複雑な波形の作成は、測定器メーカーから提供されるPC上で動作する任意波形作成プログラムを使うことになる。作成した波形はUSBメモリなどの記録媒体や通信経由でファンクションジェネレーター本体にダウンロードして使用する。
DDS方式ファンクションジェネレーターは波形メモリに記録された波形の読み出し方を制御して周波数を変化させる構造であるため、周波数を上げていくと波形メモリに記録された波形データを読み飛ばしていくため、波形の再現性には限界がある。このため利用するには発生波形の再現性をオシロスコープなどによって事前に確認する必要がある。
シーケンス発振機能
シーケンス発振機能は波形、波形パラメーターを複数定義して、発生する手順を決めていくことができる機能である。シンプルな波形の組み合わせで作られている試験波形を作成するときに利用する。
図10のような波形はステップ0からステップ4までシンプルな波形で構成されている。
- ステップ0 0Vの直流電圧、発生時間は100ミリ秒
- ステップ1 50Hz、3VP-Pの正弦波(連続)、発生時間は100ミリ秒
- ステップ2 100Hz、8VP-Pの正弦波(連続)、発生時間は50ミリ秒
- ステップ3 100Hz、1VP-Pの正弦波(連続)、発生時間は100ミリ秒
- ステップ4 50Hz、1VP-P〜10VP-P正弦波(振幅スイープ)、発生時間100ミリ秒
これらの波形を本体のパネルから表1のように定義してシーケンスを完成させる。
制御パラメーター | チャネルパラメーター | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
ステップ | ステップ時間 [ミリ秒] |
Step Term | 波形 | 周波数 [Hz] |
Action | 振幅 [VP-P] |
Action |
0 | 100 | DC | Const | 0 | Const | ||
1 | 100 | Sine | 50 | Const | 3 | Const | |
2 | 50 | Sine | 100 | Const | 8 | Const | |
3 | 100 | Sine | 50 | Const | 1 | Const | |
4 | 100 | End | Sine | 50 | Const | 10 | Sweep |
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