自己診断機能内蔵の車載電源向け電源監視IC:ローム BD39040MUF-C
ロームは、車載アプリケーションの電源システム向けに、自己診断機能を内蔵した電源監視IC「BD39040MUF-C」を発表した。既存の電源システムに外付けするだけで、電源シーケンスを変更せずに、機能安全に必要な監視機能を付与できる。
ロームは2019年5月、車載アプリケーションの電源システム向けに、自己診断機能を内蔵した電源監視IC「BD39040MUF-C」を発表した。現在サンプルを出荷中で、サンプル単価は500円(税別)。同年8月から量産を開始する。
BD39040MUF-Cは、独自の回路技術により、自己診断機能を内蔵。潜在的な故障がある場合には事前に通知し、通常動作時は、基準電圧回路、発振器回路を多重化して常時相互監視することで、安全性が向上している。
既存の電源システムを機能安全対応にする際は、電源シーケンスを変更せずに、BD39040MUF-Cをそのまま外付けするだけで必要な監視機能を付与できる。また、ECU向けの周波数監視は、監視周波数を外付け抵抗で変更できる。監視の有効タイミングもオン、オフを自由に設定可能だ。
豊富な監視機能を内蔵
さらに、車載電源が必要とする過電圧監視や減電圧監視、ECUが必要とする周波数監視やリセット機能など、豊富な監視機能を備える。特に周波数監視については、周波数が範囲内にあるかを監視できるWindowタイプを採用。故障検出の感度を高めている。
BD39040MUF-Cは、3×3×1mmのVQFN16FV3030パッケージで供給されるため、小型化が求められる安全運転支援モジュールにも柔軟に対応する。用途例として、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転のセンサー、カメラ、レーダー、エンジンコントロールユニットなどの、ASIL-B以上の機能安全対応を必要とする電源システムが挙げられる。
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