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フィルムキャパシター(2)―― メタライズド品の特徴と構造:中堅技術者に贈る電子部品“徹底”活用講座(32)(4/4 ページ)
フィルムキャパシターの1つの特徴であるメタライズド品の構造や使用上の注意点について説明するとともに、フィルムキャパシターのディレーティングについて考えます。
MIL-HDBK-217F notice2によるキャパシターの故障率の計算
MIL-HDBKの故障率モデルに従って故障率を計算し、その結果とJEITAが公表している故障率とを比較して標準的なディレーティングを考えます。
代表的なメタライズドフィルムキャパシターの値は0.1μFとします。その他の条件、計算式は下表の通りです。
JEITAとMIL-HDBKはほぼ同じ故障率になり、JEITAの背景にある平均的な設計値は上記のようなディレーティングになっていると推定できます。
次回は構造に起因するフィルムキャパシター固有の使用上の注意点について説明します。
執筆者プロフィール
加藤 博二(かとう ひろじ)
1951年生まれ。1972年に松下電器産業(現パナソニック)に入社し、電子部品の市場品質担当を経た後、電源装置の開発・設計業務を担当。1979年からSPICEを独力で習得し、後日その経験を生かして、SPICE、有限要素法、熱流体解析ツールなどの数値解析ツールを活用した電源装置の設計手法の開発・導入に従事した。現在は、CAEコンサルタントSifoenのプロジェクト代表として、NPO法人「CAE懇話会」の解析塾のSPICEコースを担当するとともに、Webサイト「Sifoen」において、在職中の経験を基に、電子部品の構造とその使用方法、SPICE用モデルのモデリング手法、電源装置の設計手法、熱設計入門、有限要素法のキーポイントなどを、“分かって設計する”シリーズとして公開している。
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