3種類の産業用通信プロトコル実装のマイコン:日本TI F2838x
日本テキサス・インスツルメンツは、3種類の産業用通信プロトコルを実装したC2000「F2838x」32ビットマイコンを発表した。64ビット浮動小数点ユニット、整数除算ハードウェアなどを搭載している。
日本テキサス・インスツルメンツは2019年6月、EtherCAT、イーサネット、CAN FD(Controller Area Network with Flexible Data Rate)の3種類の産業用通信プロトコルを実装した32ビットマイコン「C2000 F2838x」を発表した。モーター駆動、FA、大電力グリッドなどの用途を見込む。
3種類の通信プロトコルに対応するArm Cortex-M4ベースのサブシステム
Arm Cortex-M4ベースのサブシステムを搭載し、3種類の通信プロトコルを可能にした。電気的に絶縁されたアーキテクチャ向けに、8つの受信チャンネルを備えた高速シリアルインタフェースを使用し、最小ピン数で最大200Mビット/秒のチップ間通信に対応する。
CAN FDコントローラーとトランシーバーを内蔵した同社の「TCAN4550 SBC」などのシステムベーシスチップと組み合わせると、CAN FDポートを容易に増設できる。
64ビット浮動小数点ユニットと整数除算ハードウェアを用い、C28x中央処理装置を基にした制御を実施する。また、サーボドライブ用アプリケーションでは、高速電流ループテクノロジーが、精度の高い位置制御を可能とするフィールドオリエンテッドコントロールを500ナノ秒未満で処理する。
シングルエンドの16ビットA-Dコンバーターも内蔵され、使用できるチャンネルが従来のC2000マイコンの2倍に増加した。拡張された構成可能ロジックブロックにより、周辺機器のカスタマイズができるため必要な外付け部品が最小限になり、最短のシステムレイテンシと最大限の制御ループ精度を可能にした。
「TMS320F28388D」は現在サンプルを供給中で、1000個受注時の参考価格は14米ドル。「TMDSCNCD28388D」開発キットは249米ドルだ。モーター制御およびデジタル電源向けのソフトウェア開発キットを、同月末までに発表する予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- CAN FD制御回路とトランシーバー内蔵の車載向けSBC
日本テキサス・インスツルメンツは、CAN FD用コントローラーとトランシーバーを内蔵した、車載向けシステムベーシスチップ「TCAN4550-Q1」を発表した。SPIを使用し、CAN FDインタフェースの実装やCAN FDバスポート数を増設できる。 - 統合型RFサンプリングトランシーバー
日本テキサス・インスツルメンツは、4つのA-Dコンバーターと4つのD-Aコンバーターを1チップに集積した、統合型RFサンプリングトランシーバー「AFE7444」(4チャンネル内蔵)と「AFE7422」(2チャンネル内蔵)を発表した。 - 29kHzで調光動作するLEDドライバー
日本テキサス・インスツルメンツは、独立した色彩混合、輝度制御、パワーセーブモードなどを集積した、RGB LEDドライバーファミリー「LP50XX」を発表した。29kHzと人の可聴範囲外の周波数で調光動作を提供し、調光時の動作ノイズを防止する。 - 最大10kW対応の600V GaN FET
日本テキサス・インスツルメンツは、最大10kWの電力アプリケーションをサポートする、600V GaN FETデバイス「LMG341x」ファミリーを発表した。オン抵抗50mΩおよび、70mΩのGaN FETにドライバと保護機能を集積している。 - USB Type-C、PD用コントローラー
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、USB Type-C、USB PD用のコントローラー「TPS65987D」「TPS65988」を発表した。100Wまたは200Wの電力供給が可能で、電源経路を完全統合して設計の簡素化に役立つ。 - USB Type-C、PD用コントローラー
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、USB Type-C、USB PD用のコントローラー「TPS65987D」「TPS65988」を発表した。100Wまたは200Wの電力供給が可能で、電源経路を完全統合して設計の簡素化に役立つ。