CAN FD制御回路とトランシーバー内蔵の車載向けSBC:日本TI TCAN4550-Q1
日本テキサス・インスツルメンツは、CAN FD用コントローラーとトランシーバーを内蔵した、車載向けシステムベーシスチップ「TCAN4550-Q1」を発表した。SPIを使用し、CAN FDインタフェースの実装やCAN FDバスポート数を増設できる。
日本テキサス・インスツルメンツは2019年6月、CAN FD(Controller Area Network with Flexible Data Rate)用コントローラーとトランシーバーを内蔵した、車載向けシステムベーシスチップ(SBC)「TCAN4550-Q1」を発表した。4.5×3.5mmのQFNパッケージで供給され、1000個購入時の単価は1.79米ドル。CAN FDプロトコルサポートを評価する「TCAN4550-Q1」評価モジュールも149米ドルで提供する。
TCAN4550-Q1は、CAN FD、CAN、LIN(Local Interconnect Network)のトランシーバーや電源部品を1チップに統合し、車内ネットワークに必要な広帯域幅とデータレートを満たすよう設計されている。
SPIポートを使ってCAN FDインタフェースを実装
SPI(Serial Peripheral Interface)バスを使用し、ハードウェアの変更を最小限に抑えつつ、CAN FDインタフェースを実装できる。また、マイコンのCAN FDポート数が限られている場合でも、既存のSPIポートを介して車載システムのCAN FDバスを増やすことができる。
±58VDCのバス障害保護、ウォッチドッグタイマー、フェイルセーフモードなどの機能を内蔵し、Classical CANプロトコルとも互換性を備える。125mAの低ドロップアウト(LDO)リニアレギュレーターも内蔵しており、自己の電源を確保しながら外部の電力センサーや追加部品用に70mA出力を供給できる。
ウェイク機能やインヒビット機能を備え、スタンバイモード時のシステム消費電力を低減できる。最大データレートは、CAN FDプロトコルの5Mビット/秒を超える8Mビット/秒で、車両組み立て時の車載ソフトウェアのプログラミングを高速化する。
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