フィルムキャパシター(3)―― 使用上の注意事項:中堅技術者に贈る電子部品“徹底”活用講座(33)(2/2 ページ)
フィルムキャパシター全般の使用上および、取り扱いや保管を含めた注意事項について説明します。
特性曲線の入手
設計に必要と思われる特性曲線群についてその一例を表3に示します。特に誘電体には周波数特性や温度特性がありますのでカタログ値と実使用周域での値の変化の差を特性曲線で確認し、設計計算値を修正してください。
これらの曲線は保証値ではありませんが部品個々で全く違う曲線でもありません。設計に当っては設計根拠となるべきものですがカタログに頼っていると年ごとの更新で肝心の曲線が削除されたり、変更されたりしていることがあります。設計資料として活用したい場合にはこれらの曲線群は仕様書として交換しておいてください。
【注】曲線群ではありませんが端子間、端子−外装間の絶縁抵抗、耐電圧は実力を把握しておく必要があります。
フィルムキャパシターについては今回で終了し、次回からは湿式アルミ電解コンデンサーについて説明したいと思います。
執筆者プロフィール
加藤 博二(かとう ひろじ)
1951年生まれ。1972年に松下電器産業(現パナソニック)に入社し、電子部品の市場品質担当を経た後、電源装置の開発・設計業務を担当。1979年からSPICEを独力で習得し、後日その経験を生かして、SPICE、有限要素法、熱流体解析ツールなどの数値解析ツールを活用した電源装置の設計手法の開発・導入に従事した。現在は、CAEコンサルタントSifoenのプロジェクト代表として、NPO法人「CAE懇話会」の解析塾のSPICEコースを担当するとともに、Webサイト「Sifoen」において、在職中の経験を基に、電子部品の構造とその使用方法、SPICE用モデルのモデリング手法、電源装置の設計手法、熱設計入門、有限要素法のキーポイントなどを、“分かって設計する”シリーズとして公開している。
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