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メモリレコーダーの用途例と校正メモリレコーダーの基礎知識(3)(3/4 ページ)

メカトロ機器、電力設備、機械、材料、バイオなど幅広い分野で波形観測に使われる「メモリレコーダー」の基礎知識を紹介する連載第3回。最終回となる今回は、メモリレコーダーの用途例や構成について説明します。

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パワーコンディショナーの系統連系試験

 住宅用太陽光発電システムに使われる直流を交流に変換するパワーコンディショナーは、系統連系技術要件ガイドライン(資源エネルギー庁)や電気用品安全法などに従った設計がされ、一般財団法人電気安全環境研究所の認証を得る必要がある。この試験で使われる電源波形をモニターするために、メモリレコーダーが使われることがある。


図5:系統連係試験装置でのメモリレコーダーの利用

生体信号(筋電)測定

 医療機器や福祉機器、スポーツ医学、バイオなど、生物分野の研究では生体信号を観測する必要がある。生体信号のなかでも、筋電信号を観測するには1Hz〜10kHzの広い周波数帯域が必要なため、メモリレコーダーが使われる。

筋電信号を観測するには、入力インピーダンスが100MΩ以上、CMRRが100dB程度必要となるため、高感度な筋電アンプ(差動アンプ)を用いる。


図6:筋電測定の構成

モーターの軸受け電圧の測定

 モーターの軸受けとケースの間に電圧が発生すると、軸受けベアリング内部で放電が生じてベアリング金属表面に傷をつける。これを軸受け電食という。これによりモーターの劣化が進み、異音の発生や振動の増加を招く。この放電現象を観測するために、モータ―の軸受け電圧の測定が必要になる。下記に、モーターの軸受けに電圧を発生される要因となる、モーターの中性点電圧と軸受け電圧を同時に波形測定する事例を示す。必要に応じて、モーターの駆動電圧波形(U、V、W)や振動などの測定も同時に行う。

 軸受け電圧を測定すれば、軸受けで放電が起きているかを観測できる。放電現象は高速なため、観測にはMHz帯域まで測定できるメモリレコーダーが必要となる。


図7:高速現象を観測できるメモリレコーダーを使用した、モーターの軸受け電圧測定

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