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電力計の種類と選定ポイント電力計の基礎知識(1)(6/8 ページ)

電力を測るニーズの拡大にあわせて、さまざまなタイプの電力測定器が登場している。今回の記事では高性能、高機能が要求されるベンチトップ電力計に絞って基礎知識を解説していく。

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電源の種類

 電気エネルギーを供給する電源は、電池や電力会社から供給される商用電源が一般的である。それ以外の特殊な電源もあるので、ここではそれらを紹介する。

直流源

 最も古い電源であり、電池から得られる電源として始まった。身近にある電子機器は直流電源で動いているが、多くは交流電源から整流によって得られた直流である。直流電圧源は狭義では安定した電圧値を維持することが要求されるが、広義では半端整流や全波整流で得られる脈流も含まれる。電子回路の駆動には安定した電圧が要求されるが、電気めっきなどで必要な直流電源は広義の直流でよい場合がある。最近、太陽光発電や電池を搭載したハイブリッド車や電気自動車が登場したため、大きな直流エネルギーを正確に測定する機会が増えてきた。

商用単相交流源

 単相交流源は、電力会社から住宅や商店などに供給される最も一般的な商用電源である。日本では周波数は50Hzもしくは60Hzで、電圧は100Vもしくは200Vである。100Vは家電機器や事務機器などに広く供給されている。200VはIHヒーターや大型の家庭用エアコンや店舗用のエアコンなどに使われている。海外では、プラグの形状や電圧(110V〜240V)が異なるので注意が必要である。

 日本で電力会社から供給される商用電源の周波数は安定しており、停電もほとんどない。電圧変動の少ない品質のよい電源である。一方、海外では電源品質がよくないところがあるので注意が必要である。

 電柱にある柱上トランスから住宅や商店などへの配線は、下記のようになっている。100Vの電源が柱上トランス端では105Vとなっているのは、配線による電圧降下を考慮したものである。


図17:単相低圧配電供給

 従来、住宅に供給される交流電源は、電力会社から住宅への一方向のエネルギーの流れだけであったが、最近では太陽光発電システムを取り付けた住宅などがあるため、エネルギーの流れが双方向となっている。

商用三相交流源

 三相交流源は、配電線から直接誘導モーターに接続することができるため、工場やビルなどの動力用電源として使われてきた。日本では周波数が50Hzもしくは60Hzで、電圧は200Vである。海外では電圧(200V〜600V)が異なるため、注意が必要である。

 柱上トランスから工場やビルなどへの配線は、下記のようになっている。単相と同様に柱上トランス端の電圧は、配線による電圧降下を考慮して210Vとなっている。


図18:三相低圧配電供給

航空機/船舶用交流源

 航空機や船舶の一部では、電源機器の軽量化のために400Hzの電源が使われる。最新の旅客機では、油圧で駆動していた装置を電気で動かすようになったため大きな電力が必要となり、搭載される発電機が大きくなった。このため、軽量化を目的に400Hzを得るための調速機を省いた可変周波数電源を搭載している。

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