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電力計の種類と選定ポイント電力計の基礎知識(1)(7/8 ページ)

電力を測るニーズの拡大にあわせて、さまざまなタイプの電力測定器が登場している。今回の記事では高性能、高機能が要求されるベンチトップ電力計に絞って基礎知識を解説していく。

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電力計選定のポイント

 電力計を選定する場合は、測定対象の特長をよく知ることと、電力計の仕様を理解することが必要である。また、電力計で測定値の信頼性を確保するため、計測トレーサビリティーについても理解する必要がある。

電圧や電流レンジが十分なこと

 インバーターが登場する以前は、正弦波の電圧/電流波形から電力値を求めていたため、電圧/電流の実効値から電力計の電圧レンジと電流レンジを決めることができた。

 インバーターではパワー半導体をスイッチング動作させるため、正弦波でない波形を扱うことになる。このため、クレストファクターを考慮したレンジ設定が必要になる。


図19:クレストファクターの定義

 クレストファクターが大きな値であれば、実効値とレンジ設定をするための波高値が異なるため、注意が必要となる。パワーエレクトロニクス装置でよくみられる波形を例に、クレストファクターがどのような値になるかを示す。

 最初は、トライアック(トライアックはサイリスタの一種)を使った白熱灯用調光器などに見られる波形制御の事例を示す。


図20:点弧角対クレストファクターのトライアック波形特性

 次は、インバーターやスイッチング電源で使われるパルス幅制御の例を示す。


図21:パルスデューティサイクル(= t / T)とクレストファクターの関係

入力モジュール数が十分なこと

 機器の消費電力や電源伝導ノイズを測定するだけであれば、限られた入力モジュールで測定ができる。最近の電力計は、パワーエレクトロニクス装置に搭載された複数の電力変換器の変換効率を同時に測定するため、測定対象にあわせた入力モジュール数を用意できるようになっている。また、利用者の便宜をはかるため、利用者自身が用途に合わせて入力モジュールを交換できるようにもなっている。


図22:自由に入力モジュールを交換できるパワーアナライザー(WT5000 横河計測) 提供:横河計測

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