「世界初」車載向けメタル積層チップパワーインダクター:太陽誘電 MCOIL MCシリーズ
太陽誘電は、車載向けメタル積層チップパワーインダクター「MCOIL MC」シリーズを発表した。全7製品のうち、1608サイズで公称インダクタンス0.47μHの「MCKK1608TR47MVC」は量産を開始している。同社によると、車載向けの1608サイズメタル系パワーインダクターの商品化は「世界初」。
太陽誘電は2020年3月、車載向けメタル積層チップパワーインダクター「MCOIL MC」シリーズを発表した。全7製品のうち1608サイズで公称インダクタンス0.47μHの「MCKK1608TR47MVC」は既に量産を開始しており、サンプル価格は1個50円。小型かつ薄型で、多機能化と高機能化が進む車載向け電子モジュールの高密度化に貢献する。同社によると、車載向けの1608サイズメタル系パワーインダクターの商品化は「世界初」。
MCOIL MCシリーズは、1608サイズ(1.6×0.8×1.0mm)と2012サイズ(2.0×1.25×1.0mm)の2種類のサイズがあり計7製品をラインアップしている。1608サイズの公称インダクタンスは0.24〜0.47μH、直流抵抗は35m〜65mΩ、定格電流は2.6〜3.2A。2012サイズの公称インダクタンスは0.24μ〜1.00μH、直流抵抗は20m〜85mΩ、定格電流は2.7〜4.8A。いずれもインダクタンス許容誤差は±20%で、測定周波数は1MHzだ。
材料技術と積層技術の開発により、部品の小型化と薄型化を達成するとともに、車載用受動部品の認定用信頼性試験規格「AEC-Q200」に対応している。自動車のインフォテインメント機器やADAS(先進運転支援システム)、テレマティクスなどのECU(電子制御ユニット)で使用する電源回路向けチョークコイルに適する。
MCKK1608TR47MVC以外の6製品は、2020年内に量産を開始する予定としている。
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