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導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサーに80V品追加:日本ケミコン HXDシリーズ、HSDシリーズ
日本ケミコンは、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサーの「HXD」「HSD」シリーズに、定格電圧80Vの新製品を追加した。電極箔や導電性高分子材料の最適化により、静電容量が大容量化している。
日本ケミコンは2020年3月、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサーの「HXD」「HSD」シリーズに、定格電圧80Vの新製品を追加した。サンプル出荷は同年6月、量産開始は同年10月を予定している。
導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサーには、ESR(等価直列抵抗)特性が低く優れた耐熱性を誇る導電性高分子と、酸化被膜修復性を持つ電解液が使われており、許容リップル電流がアルミ電解コンデンサーの数倍に増加すると見込まれる。
HXDシリーズはチップ形、HSDシリーズはリード形。両シリーズに今回追加された80V品は、電極箔や導電性高分子材料の最適化により、静電容量がそれぞれ56μF、68μFと同社「HXA」シリーズの140%相当に大容量化した。
大容量化に加え、高信頼性、高耐圧性能を兼ね備える80V品は、次世代データセンターの48V電源サーバなどに適している。
105℃で5000時間の耐久性
製品サイズは、HXDシリーズが10×10mm、HSDシリーズが10×12.5mm。両シリーズともにカテゴリー温度範囲は−55〜+105℃、定格容量範囲が80WV、耐久性は+105℃で5000時間(リップル重畳)となっている。
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