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低電力損失と高い誤動作耐量を備えるSiC-MOSFET:三菱電機 SiC-MOSFET 1200V-N
三菱電機は、パワー半導体の新製品「SiC-MOSFET 1200V-N」シリーズ6品種のサンプル提供を開始する。低電力損失と高い誤動作耐量を両立しており、車載充電器や太陽光発電などの電源システムの低消費電力化、小型化に貢献する。
三菱電機は2020年6月、パワー半導体の新製品「SiC-MOSFET 1200V-N」シリーズ6品種を発表した。サンプル提供を同年7月に開始する。サンプル価格は1600〜6000円(税別)。
JFET(Junction Field Effect Transistor)領域の不純物濃度を高濃度化し、デバイスを高密度化する「JFETドーピング技術」を用いたSiC-MOSFETを採用。これにより、低オン抵抗と低スイッチング損失の両立が可能になった。パワーMOSFETの性能を示すFOMは1450mΩ・nCで、Si-IGBTを用いた従来品と比較して、電力損失が約85%低減した。
誤動作耐量を約14倍改善
また、誤動作を誘引する帰還容量(MOSFETのゲートとドレイン間の寄生容量)を低減したことで、他社のSiC-MOSFETを用いた製品と比較して誤動作耐量を約14倍改善した。
低いスイッチング損失、高キャリア周波数駆動により、放熱機器やリアクトルなどの周辺部品を小型化できるため、車載充電器や太陽光発電などの電源システム全体を小型化し、コスト低減に寄与する。
外形サイズは15.9×41.0×5.0mm。TO-247-3パッケージで提供する。なお、シリーズ6品種はRoHS指令に準拠し、そのうち3品種は車載用半導体規格「AEC-Q101」にも準拠している。
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