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FFTアナライザーの構造や窓関数の使い方FFTアナライザーの基礎知識(2)(6/6 ページ)

低周波信号の周波数成分を観測するFFTアナライザーについて解説する連載第2回。今回は、「FFTアナライザーの構造」「窓(ウィンドウ)関数の使い方」「アベレージング(平均化処理)」「FFTアナライザーに接続されるセンサー」について説明していく。

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マイクロフォン

 音響測定を行う場合は、計測用に作られたマイクロフォンが使われる。一般のマイクロフォンとは異なり、周波数特性や安定性が優れたものとなっている。

 測定に使われるマイクロフォンは、プリアンプ、ケーブルと組み合わせて使われる。プリアンプを駆動する電源が必要となるが、センサー駆動電源(CCLD)を持ったFFTアナライザーでは、プリアンプの出力を直接接続することができる。また、マイクロフォンに接続されるプリアンプは指定されているので、組み合せの確認をする必要がある。


図13:マイクロフォンと測定器の接続

 マイクロフォンを選ぶ際には下記の仕様に注目する必要がある。

  • マイクロフォンのサイズ
    • マイクロフォンの公称口径には、1インチ、1/2インチ、1/4インチ、1/8インチと各種があるが、一般には1/2インチが使われることが多い。マイクロフォンの口径が小さいほど周波数帯域を高くすることができる。一方、口径が大きいほど小さい音を捕らえることができる特性となる。
  • レスポンスタイプ
    • 音場型マイクロフォンは、1つの音源から1つの方向に発せられる音圧レベルを測定するためのものである。音圧型マイクロフォンは、ダイヤフラム正面からの音圧を測定するように作られている。一般には音場型マイクロフォンが使われて、ダクト内の音を測定する場合は音圧型マイクロフォンが使われる。

 その他、周波数範囲、温度係数、自己雑音レベルなどの仕様が用途に適しているかを確認する必要がある。

PCソフトウェア

 最近のFFTアナライザー本体は高度な機能を搭載しているが、大量のデータ処理、高度な演算処理を行う場合や大量の測定データの保存を行う場合は、演算能力が高いPCを用いることが必要となる。

 振動や音響の解析を行うための基本的なデータ処理やPCの大画面で表示する機能などを提供するソフトウェアが市販されている。例えば、小野測器が開発したO-ChartはFFTアナライザーで取得したデータを分かりやすく表現できる。下図はO-Chartを用いて自動販売機の全面から発生する騒音をFFTアナライザーによってメッシュ状に観測し、周波数別に音圧分布を表示したものである。


図14:O-Chartを用いて自動販売機からの騒音を周波数別に音圧表示した事例

転載元「TechEyesOnline」紹介

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