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FFTアナライザーの測定事例と校正FFTアナライザーの基礎知識(3)(4/5 ページ)

低周波信号の周波数成分を観測するFFTアナライザーについて解説する連載第3回。最終回となる今回は、「FFTアナライザーの測定事例」「FFTアナライザーの校正」について説明する。

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回転体の振動と騒音のトラッキング解析

 エンジンやモーターなど回転体から発生する振動や騒音は、回転速度に比例した周波数になることがあり、これらが機器や装置の固有振動数と一致すると共振などが生じる。

 回転速度を基準としてその整数倍を次数という。例えば1200 rpm(毎分1200回転)は周波数に換算すると20Hzとなる。これを1次成分という。回転速度が1800 rpmになると1次成分の周波数は30Hzとなる。2次成分は1次成分の周波数の倍を意味する。

 測定は回転速度をセンサーによって検出して、FFTアナライザーの外部サンプリング入力端子に接続する。FFTアナライザーの波形サンプリングは、入力された周波数を基準に行われる。


図7:トラッキング解析による振動、騒音測定

かご型誘導電動機の回転子バー切れ診断

 誘導電動機は、始動停止の繰り返しによる熱ストレスによって回転子のバー切れが生じる可能性がある。バー切れが生じると、最悪の場合は折損した回転子のバーが遠心力によって飛び出し、固定子コイルを損傷させる場合がある。

 誘導電動機の振動と駆動電流に周波数分析を行うことによって、誘導電動機を分解することなくバー切れを検出できる。


図8:バー切れ診断を行う方法 出典:インテリジェント設備診断(下郷太郎編、1990年)

 誘導電動機にバー切れがあった場合は、駆動電流と振動の周波数スペクトルにバー切れの周波数成分が観測される。


図9:バー切れが生じたときの周波数スペクトル 出典:インテリジェント設備診断(下郷太郎編、1990年)

 誘導電動機はビルや工場で多く使われているため、周波数分析によるバー切れ診断は設備診断では必要となる。

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