動作周波数550MHzの32ビットマイコン:STマイクロ STM32H7シリーズ
STマイクロエレクトロニクスは、32ビットマイコン「STM32H7」シリーズに、動作周波数550MHzの製品を追加した。Arm Cortex-M7を搭載し、最大1Mバイトのフラッシュメモリを内蔵している。
STマイクロエレクトロニクスは2020年9月、32ビットマイコン「STM32H7」シリーズに、動作周波数550MHzの「STM32H723」「STM32H733」「STM32H725」「STM32H735」「STM32H730」を追加した。各種パッケージを用意しており、例えば大量購入時の「STM32H730VBT6」の単価は約2.83米ドルとなる。
最大1Mバイトのフラッシュメモリを内蔵
各製品ともArm Cortex-M7を搭載し、最大1Mバイトのフラッシュメモリを内蔵する。フレキシブルメモリコントローラー(FMC)やOcto-SPIメモリインタフェースなどを備え、内部メモリと外部メモリのどちらで実行しても、ベンチマークテストで2778CoreMarkと1177DMIPSを記録する。
また、16Kバイトの命令キャッシュとデータキャッシュ、再マッピング機能付きの密結合命令RAM(ITCRAM)、FMACフィルター、三角関数演算による数値演算アクセラレーターを搭載する。
「STM32」ファミリー向けのセキュリティエコシステム「STM32Trust」を利用できるため、On-The-Fly復号機能やセキュアファームウェアインストールなどの暗号化アルゴリズムをサポートする。
他に、STM32Trustの拡張パッケージである組み込みGUI開発ツール「TouchGFX」やプログラミングツール「TouchGFX Designer」、AI開発ツール「STM32Cube.AI(X-CUBE-AI)」を無償で利用できる。開発ボード「STM32H735G-DK」「NUCLEO-H723ZG」も提供している。
主な用途として、生活家電製品、小型医療機器、産業用センサーやアクチュエーターなどを見込む。これらに対し、従来は困難だったAI(人工知能)やグラフィックス、音声認識など、演算負荷の高い機能の搭載が可能になるとしている。
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