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交流インピーダンス測定の目的や原理LCRメーターの基礎知識(1)(5/6 ページ)

日常生活ではあまり気付かないが、交流インピーダンス測定はさまざまなところで行われている。今回の解説記事では、主に数メガヘルツまでの低周波の交流インピーダンスを測るLCRメーターについて解説する。

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共振法(Qメーター法)

 発振器、同調回路、電流計、電圧計から構成される測定器であり、コンデンサーやインダクターのQ値やインピーダンスを測定することができる。


図9:Qメーターの構造 出典:434OA(QM-12C)Qメーター取扱説明書(横河・ヒューレットパッカード、1970年2月)

 Qメーターも操作に熟練が必要なため、LCRメーター登場により使われることは非常に少なくなった。


≪図10:実際に使われていたQメーター(横河電機製作所) 出典:Qメーター(QM-102型)(小林肇 横河技報 1957年3月)、Qメーター(佐藤英雄 無線と実験 1961年10月号)

I-V法

 インピーダンスの測定基本原理と同じ構成でインピーダンスを測定する方法である。


図11:I-V法の原理図 出典:インピーダンス測定ハンドブック2013年版(キーサイト・テクノロジー)

 I-V法では、発振器の電圧と負荷に流れる電流の測定が必要になる。電圧と電流の位相差を考慮しない測定であれば、交流電圧計やデジタルマルチメーターが用いられる。位相差を含めた正確な測定を行う場合はロックインアンプ、周波数特性分析器(FRA)、電力計が用いられる。

 I-V法は、LCRメーターでは測定しにくい大型のリアクトル(コイル)のインダクタンスを測定する場合に使われている。ほかにも、負荷装置などと組み合わせて測る電気化学分野ではI-V法が使われている。


図12:燃料電池のインピーダンス測定を行うシステム 出典:燃料電池セル評価システム(エヌエフ回路設計ブロックのHP)

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