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マイコン製品における出荷テストとはハイレベルマイコン講座【出荷テスト編】(1)(3/4 ページ)

マイコンの出荷テストについて2回に分けて詳しく解説する。1回目の本記事では、はじめに「マイコンの故障の定義」「故障モード」、次に製造工程のどのステップでテストが行われているかを説明するために「製造工程(製造フロー)」について説明する。そして最後に「基本的なテストの種類」について概要を説明する。

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マイコンの製造工程

 図4にマイコンの製造工程(製造フロー)を示す。前述したが、各マイコンメーカーで製造フローは異なり、公開もされていない。そのため、一般的なフローを例に示している。


図4:マイコンの製造工程(製造フロー)

①目標仕様書作成

 最初に、マイコンの仕様を決めて目標仕様書を作る。通信機能を搭載する場合は、通信プロトコルの詳細を検討したり、アナログ機能を搭載する場合は、アナログ特性を決めたりする。

②機能設計

 目標仕様が決まったら、それに従って機能設計を始める。具体的には論理設計を行い、動作確認のための論理シミュレーションを行う。その際に、テスト用の回路も作り込んで、同時にシミュレーションで動作確認する。

③回路&レイアウト設計

 論理が固まったら、回路とレイアウト設計を行い、回路シミュレーションで回路特性を確認する。レイアウト設計が終わると、各論理ゲートの出力負荷が決まるので、実負荷シミュレーションを行いレイアウト設計に問題がないことを確認する。最後に、前述した縮退故障を検出する故障シミュレーションを行う。例えば、全論理回路の95%以上(これを故障検出率と言う)の縮退故障を検出するパターンを作って、そのパターンを出荷時のテストパターン(テストベクタ)にする。故障検出率は各マイコンメーカー、各製品で異なり、車載用製品では97〜98%以上の場合もある。
 テストパターンができたら、テストプログラムを作る。通常、マイコンの出荷テストは半導体試験装置で行われる。半導体試験装置は、LSIテスターやICテスター、ATE(Automated Test Equipment:自動検査装置)など、さまざまな名称で呼ばれる。このLSIテスターを動作させるのが、テストプログラムだ。

④マスク制作、ウエハー製造

 設計段階が終わると、フォトマスクの制作に入る。フォトマスクができたら、シリコンウエハー上にマイコンを作り込む。

⑤ウエハーテスト

 最初のテストはウエハー状態で行う。しかし、ウエハーには配線が全くないので、電気信号を入力したり、取り出したりするために特殊な装置が必要になる。ウエハー上に作り込まれたマイコンには、パッケージングする際に、パッケージの端子と電気的接続をするためのボンディングPADと呼ばれる電極が設けられている。このボンディングPAD上に髪の毛よりもはるかに細い針(プローブ)を当てて、マイコンの内部回路にアクセスすることでマイコンの特性や機能をテストする(図5)。


図5:ウエハーと検査設備の電気的接続方法

⑥ダイシング、パッケージング

 ウエハー状態でのテストで問題がなければ、ウエハー上のマイコンを切り離す(ダイシング:Dicing)。
 切り離されたマイコンはパッケージに封止される。

⑦最終テスト

 パッケージングされたマイコンは、出荷前に最終テストをして、問題ないことが確認される。

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