ガルバニック絶縁型シグマデルタモジュレーター:STマイクロ ISOSD61、ISOSD61L
STマイクロエレクトロニクスは、ガルバニック絶縁型の二次シグマデルタモジュレーター「ISOSD61」「ISOSD61L」を発表した。±320mVまでのアナログ入力信号を、最大25Mサンプル/秒で1ビットのデジタルデータストリームに変換する。
STマイクロエレクトロニクスは2021年3月、ガルバニック絶縁型の二次シグマデルタモジュレーター「ISOSD61」「ISOSD61L」を発表した。既に量産中で、1000個購入時の単価は2.5米ドル。8mmの沿面距離と空間距離を確保したSO16W表面実装型プラスチックパッケージで提供する。
両製品は、A-Dコンバーターと絶縁型UARTペリフェラル機能を1チップに集約し、±320mVまでのアナログ入力信号を、最大25Mサンプル/秒で1ビットのデジタルデータストリームに変換する。
A-Dコンバーターの分解能は16ビット、SN比は86dB
ISOSD61はTTLおよびCMOS対応のクロック入力とデータ出力信号レベルを利用可能で、ISOSD61LはLVDS(低電圧差動信号)に対応する。いずれもA-Dコンバーターの分解能は16ビット、SN比は86dB。25MHzの外部クロック入力にも対応する。
一次側、二次側とも、6kVまでの最大過渡絶縁電圧および、サージ絶縁電圧を通常の動作条件においても1.2kVまでの最大動作電圧を保証する。コモンモード過渡電圧耐性は30kV/マイクロ秒としている。動作温度範囲は−40〜+125℃だ。
モーター制御やEV用充電ステーション、太陽光発電システム用インバーター、UPS(無停電電源装置)、サーバや通信機器の電源などの産業アプリケーションに適する。評価ボード「EVALST-ISOSD61T」「EVALST-ISOSD61L」も用意している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 駆動電流4Aの絶縁型ゲートドライバ
STマイクロエレクトロニクスは、絶縁型ゲートドライバ「STGAP」ファミリーに、駆動電流4Aの「STGAP2SiCS」を追加した。6kVのガルバニック絶縁を内蔵し、最大1200Vの高電圧レールで動作する。 - 産業IoTネットワーク向け絶縁型トランシーバー
インターシルは2017年2月、4Mビット/秒の双方向データ伝送を可能にした絶縁型RS-485差動バス・トランシーバー「ISL32704E」を発表した。産業用IoTネットワーク向けの特長をそろえる。 - 最大8チャンネルを搭載したデジタルアイソレーター
シリコン・ラボラトリーズは2016年8月、最高2Mビット/秒の高速チャンネルを可能にした、PLC入力デジタルアイソレーター「Si838x」ファミリーを発表した。1デバイス当たり最大8チャンネルを搭載し、50kV/マイクロ秒の高いノイズ耐性を備えたという。 - DC-DCアプリケーションの考え方(1)極性の反転やパワーダブラー
今回からは、DC-DCコンバーターのアプリケーション分野がいかに広いかを示すため、DC-DCコンバーターのあまり一般的でないいくつかの使用方法について検討します。まず、「極性の反転」や「パワーダブラ―」に関して解説します。 - 高耐ノイズ、低入力電流のフォトカプラ3種
ルネサス エレクトロニクスは、産業機器など厳しいノイズ環境下での使用に適した、15Mビット/秒のフォトカプラ3種「RV1S9160A」「RV1S9060A」「RV1S9960A」の量産出荷を開始した。業界最高クラスの低スレッショルド入力電流を達成している。 - 漏れインダクタンスを使用したフライバックコンバーター(2) 平均モデル化
本連載の第1回では、漏れインダクタンスによってもたらされるスイッチング効果について説明しました。実効デューティ比の低下により、2次側ダイオードの導通時間が長くなり、メインスイッチがターンオフした後、2次側電流が変化するまでの遅延が発生します。その結果、元の式による予測値よりも出力電圧が低くなり、RCDクランピングネットワークでの消費電力が増加します。動作波形において漏れに関連する項が及ぼす影響を考慮した場合、フライバックコンバーターの小信号応答に与える漏れの影響を検討するのは興味深いことです。ただし、小信号分析を実行する前に、適切な平均モデルが必要になります。