5G通信の開通保守向け、高精度GNSS同期発振器:アンリツ MU100090B
アンリツは、ポータブル測定器「ネットワークマスタ プロ MT1000A」に、高精度GNSS同期発振器「MU100090B」を追加した。通信ネットワークの開通や保守現場で高精度測定を可能にし、5Gネットワークの普及に貢献する。
アンリツは2021年5月、ポータブル測定器「ネットワークマスタ プロ MT1000A(MT1000A)」に、高精度GNSS同期発振器「MU100090B」を追加した。通信ネットワークの開通や保守現場での高精度な測定を可能にし、5Gネットワークの普及に貢献する。
マルチGNSS、マルチバンド対応で高精度の基準タイミングを出力
MT1000Aは、基本ユニットにトランスポートモジュールやOTDRモジュール、同期発振器を組み合わせ、1台で最大25Gビット/秒までのSyncE、PTP試験をサポートする。
MU100090Bは、GPS、QZSS(みちびき)、Galileo、GLONASS、Beidouに対応。マルチGNSS対応によりフィールド測定での利便性を高め、マルチバンド対応によって高精度な測定が可能だ。UTCとトレーサビリティのある基準時刻および10MHz周波数信号を、時刻同期精度測定の基準タイミングとして出力する。
また、従来品「MU100090A」と比較して、安定状態に遷移するまでの準備時間を4分の1以下に短縮した。地下など、測位衛星の見通しのきかない場所での時刻同期試験に対する利便性も高めている。
ソフトウェアオプション「MU100011A-021 SyncEワンダ」と組み合わせると、ネットワークが供給するEthernet回線の周波数精度をITU-T規格に従って合否判定する。また、クラウドサービス「MX109020A Site Over Remote Access(SORA)」を利用して、複数のMT1000Aを遠隔操作することも可能だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 低雑音かつ高安定出力の精密電圧源
エヌエフ回路設計ブロックは、低雑音かつ高安定出力の直流電圧源「LP6016-01P」を発売した。水晶発振器の制御電圧源、A-Dコンバーターの基準電圧源として、デバイスやセンサーを高精度に制御する。 - ユニバーサルカウンターの利用事例や校正
ユニバーサルカウンターについて解説する第3回。最終回となる今回は、「ユニバーサルカウンターの利用事例」「ユニバーサルカウンターの校正」について説明する。 - 発振器選択の手引き
これまで、電子回路のクロック源としては、水晶やセラミックなどを用いた発振器が使われてきた。しかし、最近になって、高精度のシリコン/MEMS発振器が登場したことで、技術者にとっての選択肢の幅が広がった。本稿では、水晶、セラミック、シリコン、MEMSベースの各種発振器の特徴と、機器に最適な発振器を選択する上で必要となる知識についてまとめる。 - 高性能LCRメータに50万円台の低価格モデルを追加
キーサイト・テクノロジーは、業界標準の高性能LCRメータに、低価格製品モデルの「E4980AL プレシジョンLCRメータ」を追加した。上限周波数を抑えながら、4.5mΩ〜172MΩの広い測定範囲と0.05%の高い基本確度を備えた。 - LTE-Advancedの評価を可能にするソフトウェア
アンリツは、携帯端末(UE)開発向け無線通信テスタ「MT8821C」の機能を強化し、1台の無線テスタでLTE-Advanced DL CA 4CCsの評価を可能にするソフトウェアを発売した。 - クロックが高精度AーDコンバーターに与える影響
クロックが高精度A-Dコンバーターにどう影響するかを深く理解するために、クロック信号に関連する3つのトピックスについて考察します。トピックスとは「クロックジッタ」「クロック相互変調」「クロックに関する基板レイアウトのベストプラクティス」の3つです。