多チャンネルのオシロスコープ特集〜大手5社の8chモデル紹介〜:オシロスコープの最新動向(5/6 ページ)
今回はオシロスコープの最新動向として主要メーカー5社の8chモデルの概要を紹介する。
テレダイン・レクロイ WaveRunner 8000HDシリーズ 高分解能オシロスコープ
WaveRunner 8000HDシリーズは2GHzの広帯域と12ビットの高分解能を同時に実現し、8チャンネルの多チャンネルを実現する。また、OscilloSYNCにより2台を同期運転することで16チャンネルのシステムが簡単に構築できる。同社は、この高い性能を活用した、三相モーター/インバーター解析ソフトを標準搭載したMDA 8000HDモータードライブアナライザーも用意している。
広帯域2GHzと12ビットの高分解能を同時に実現
従来の機器では、帯域と分解能の間にトレードオフの関係があり、いずれかを犠牲にしなければならなかったが、常時12ビットの高分解能を2GHzの広帯域と同時に実現。分解能向上演算(ERES)使用時には分解能は最大15ビットになる。2GHzの帯域があるため複雑な組み込みシステムのデバッグや、1000Base-T1など車載Ethernet信号評価にも対応できる。
0.5%のDCゲイン確度
95μV@1mV/div(WaveRunner 8038HD)のローノイズ設計と12ビットの高分解能で2GHzの広帯域でもDCゲイン確度0.5%を実現し、高精度の測定を保証する。
5Gポイントの超ロングメモリ
最大で5Gポイントの業界最高のロングメモリを実現した。10GS/sの最高サンプリング速度で、500msの長時間の波形捕捉が可能。時間軸設定や拡大表示の操作が簡単にできる。
2台同期で16チャンネル
OscilloSync(WR8KHD-16CH-SYNCH)を使えば、あたかも単一の機器のように16チャンネルのアナログ信号を1つの画面に表示可能。設定は簡単で、迷わずにすぐ使える。
対応アプリケーションの例
- 高速組み込みコンピュータシステム
- 三相モーター/インバーター
- パワーインテグリティ試験
- 車載システム
モデルの主な仕様
モデル名 | WaveRunner 8038HD | WaveRunner 8058HD | WaveRunner 8108HD | WaveRunner 8208HD |
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帯域 | 350MHz | 500MHz | 1GHz | 2GHz |
ch数 | 8ch | |||
サンプリング速度 | 5GS/s(〜10GS/s、エンハンスドサンプリング時) | |||
標準メモリ | 50Mポイント/ch(200Mポイント@2ch) | |||
垂直分解能 | 12ビット(分解能向上演算(ERES)使用時に最大15ビット) |
モータードライブアナライザー
モータードライブの入力から機械的出力までの数値的な三相解析結果の表示と、波形によるパワー解析を提供する。多様なセンサーに対応し、モーターの速度、角度、トルクなどの機械情報を読み取ることができる。ロングメモリを使ったサイクルごとのパラメータ値の時間変動グラフとZoom+Gateモードを使うと、モーターやモータードライブの動的解析ができる。モータードライブのパワーエレクトロニクス部の解析、モーターの機械的性能評価、組み込みコントローラー動作検証を含む全てを網羅するシステムのデバッグを可能にする。
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