多チャンネルのオシロスコープ特集〜大手5社の8chモデル紹介〜:オシロスコープの最新動向(6/6 ページ)
今回はオシロスコープの最新動向として主要メーカー5社の8chモデルの概要を紹介する。
横河計測 DLM5000シリーズ ミックスドシグナルオシロスコープ
YOKOGAWAは世界に先駆けて1993年に8chオシロスコープDL5180を発表した。2012年発売のDLM4000は8chながら薄型、軽量、使いやすいユーザーインタフェースやロングメモリ、ヒストリ機能、豊富なシリアルバス解析機能などで好評を得た。DLM5000はDLM4000の機能/操作性を継承しつつ、新設計の入力段による低ノイズ化/高感度化、メモリの拡張、タッチパネル搭載など、さまざまな改善を施した最新モデルだ。
1台でアナログ8ch+ロジック32bitを一括測定
アナログ8ch、ロジック32ビットと、一般的ミックスドシグナルオシロスコープ2台分を1台でカバーできる。センサーの信号やアンプの入出力はアナログチャンネルで、シリアル/パラレルのバス信号はロジックチャンネルで補足できるので、組み込みシステムデバッグにはこれ1台で十分となる。
2台連結機能“DLMsync”でさらに多チャンネルに
2台のDLM5000(/SYNオプション付き)を専用ケーブル(701982)で接続すると、最大アナログ16チャンネル、ロジック64ビットの同期測定が可能となる。メインユニットの設定はサブユニットでも共通に動作し、捕捉波形はそれぞれのユニットで表示される。専用インタフェースは本体に標準装備なので、オプション追加ライセンスですぐに仕様可能。 4chモデル2台、4chモデルと8chモデルの混在も可能だ。
モーター制御、インバーター/IPM、周辺回路の開発
モーターのさらなる効率化、小型化、高性能化、高信頼性実現のためのキーとなる制御回路やIPM(Intelligent Power Module)、インバーター周辺のエレクトロニクス開発用途には多チャンネル同時測定が必要だ。
アプリケーション例
- 三相モーターの3つの線間電圧と3つの相電流同時測定
- インバーター内の6つのIGBTのゲート制御信号同時測定
自動車ECU、メカトロ組み込み機器開発
アナログ8chに加え、最大32ビットロジック測定、UART(RS232)、I2C/SPI、CAN/CAN FD/LIN/CXPIなどのプロトコル解析(通信データのデコード)機能をも兼ね備えているため、ECUやコントローラーの入出力信号を同時かつ高速に測定できる。
アプリケーション例
- コントローラーの入出力信号とシリアルバス信号の同時測定
- ロジック信号やシリアルバス信号のアナログ的挙動の測定
ラインアップ
形名 | DLM5034 | DLM5054 | DLM5038 | DLM5058 |
---|---|---|---|---|
周波数帯域 | 350MHz | 500MHz | 350MHz | 500MHz |
最大チャンネル数 | アナログ4+ロジック32 | アナログ8+ロジック32 |
DL950スコープコーダ(2021年2月発売)
自動車、メカトロニクス、パワーエレクトロニクスに実績のあるDL850の後継機種。スコープコーダーはデジタルオシロスコープの使い勝手と多チャンネルデータレコーダーを融合したモジュール方式の統合型計測器だ。8ビット以上の高分解能が必要な場合にはDL950が適している。
転載元「TechEyesOnline」紹介
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