オシロスコープが届いたら最初にすること:初めて使うオシロスコープ(1)(5/6 ページ)
今回の連載記事は、オシロスコープの世界的なトップメーカーであるテクトロニクスの協力を得て、初めてオシロスコープを使う人を対象にエントリーモデルの「TBS2000B(2chモデル)」を事例にして基本的な使い方や使用上の注意点を解説していく。
受動電圧プローブの調整
受動電圧プローブとオシロスコープの本体は、下図のような回路構成をしている。プローブには調整用のトリマキャパシターがあり、プローブに添付されているドライバを使って調整を行うようになっている。
プローブを調整するには、CAL信号を観測してプローブの穴にドライバを差し込んで行う。
プローブにあるトリマキャパシターの容量をドライバによって変化させると、画面に表示されるパルス波の形が変化する。正確な波形観測を行うために適切な補正を行い、下図のような矩形波になるようにする。
受動電圧プローブの選択
オシロスコープを利用する場合は、オシロスコープ本体にあったプローブを選ぶ必要がある。例えば、テクトロニクスのHPを見ると多くの種類が掲載されている。この中でTBS2000Bが使える受動電圧プローブは下記の5つの製品となっている。
- TPP0200(200MHz、10:1)
- TPP0100(100MHz、10:1)
- P2220(200MHz、1:1/10:1)
- P6101B(15MHz、1:1)
- P6139B(500MHz、10:1)
それ以外のプローブでも接続が可能なものはあるが、測定器メーカーが利用を推奨していないプローブを使うことは避けたほうがよい。
グランドリードの長さによる影響
受動電圧プローブには、グランドリードが引き出されて先端にクリップが取付けられている。パルス波形を観測する場合は、グランドリードの長さによって観測される波形が異なる。
正確な波形観測を行うには、グランドリードの長さの影響を受けないよう、グランドリードを延長してはならない。また、グランドリードの影響を最小にするにはグランドスプリングを使うことが望ましい。
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