小型で省電力の24ビット広帯域A-Dコンバーター:日本TI ADS127L11
日本テキサス・インスツルメンツは、広い帯域幅を有する24ビット小型A-Dコンバーター「ADS127L11」を発表した。小型かつ低消費電力、高いデータスループットを必要とする信号計測機器、ポータブル医療機器に適する。
日本テキサス・インスツルメンツは2021年12月、広い帯域幅を有する24ビット小型A-Dコンバーター「ADS127L11」を発表した。小型かつ低消費電力、高いデータスループットを必要とする試験および計測機器、ポータブル医療機器に適する。
サイズと消費電力を50%削減、帯域幅は50%拡大
ADS127L11は、フィルターオプションとして、広帯域モードと低レイテンシモードを備える。広帯域モードでは、競合品と比べて帯域幅が50%広く、高いAC測定分解能と最大400kサンプル/秒のデータレートを提供する。S/N比も30%改善し、高周波時のノイズを抑えている。
低レイテンシモードでは、遅延時間を25%短縮し、サンプリングレートは最大1067kサンプル/秒とする。オフセット温度ドリフトは83.3%低減して50nV/℃に抑え、DC測定分解能、データスループット、応答時間の向上を支援する。
他製品と比べてパッケージサイズを50%小型化し、複数の追加チャンネルを実装して、チャンネル密度を最適化できる。消費電力は他製品の半分となっており、複数の電力モードを利用できる。サンプリングレート50kサンプル/秒時の消費電力は、最小3.3mWだ。
3×3mmの20ピンWQFNパッケージ、または6.5×4.4mmの20ピンTSSOPパッケージで提供する。既に供給を開始しており、1000個受注時の参考単価は5.75米ドルから。評価モジュールは149米ドルで、同社Webサイトより入手可能だ。
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