連載
光スペクトラムアナライザーの構造と基本仕様:光スペクトラムアナライザーの基礎知識(2)(5/9 ページ)
光ファイバー通信分野の開発では必須の測定器となっている光スペクトラムアナライザーについて解説する連載2回目。今回は、光スペクトラムアナライザーの「構造」や「基本仕様」「使うために知らなければならないこと」そして「設置の注意点」について説明する。
波長確度
モノクロメーターを用いた光スペクトラムアナライザーでは、波長確度は分光器の機械性能によって決まる。特に、回折格子を回転させる構成要素である高分解能エンコーダーとモーターを組み合わせた、精密サーボ機構が性能を決めることになる。波長の確度を維持するためには、光スペクトラムアナライザー本体に内蔵されている校正用光源を使って自己校正をすることが望ましい。
測定速度
高速に測定することが要求されるレーザダイオードの生産ラインでの試験では、測定速度の仕様が重視される。測定速度を速めるには、分光器の受光素子以降の電子回路や制御ソフトの性能も重要な要素となる。
ダイナミックレンジ
高感度で高ダイナミックレンジが実現されると、光スペクトル全体の形状が正確に把握できる。高ダイナミックレンジを実現するには、ダブルモノクロ方式の分光器を採用することになる。同じ光を2回分光することによって、ダイナミックレンジを拡大できる。実際の光スペクトラムアナライザーでは、1つの分光器内で光を往復させることによって高ダイナミックレンジを実現している。
サイドモード抑圧比(SMSR)の測定では、波長分解能とともに高いダイナミックレンジも要求される。下図にはサイドモードの測定事例を示す。
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