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50Gビット/秒のPAM4光通信モジュールを試作:日本航空電子工業 50Gビット/秒 PAM4光通信モジュール
日本航空電子工業は、多値変調技術のPAM4を利用した「50Gbps PAM4 光通信モジュール」を試作し、良好な光伝送波形を確認した。車載用途をはじめ、高速光通信市場への展開を見込む。
日本航空電子工業は2022年7月、多値変調技術のPAM4を利用した「50Gbps PAM4 光通信モジュール」の試作を発表した。高速光通信市場への展開を見込む。
4値パルス振幅変調のPAM4(Four-level Pulse Amplitude Modulation)は、2値で伝送する従来のNRZ(Non-Return-to-Zero)方式と比べて、より多くの情報を伝送できる。また、金属ケーブルではなく光ファイバーを使う光通信では、光変復調が重要な技術となる。
良好な光伝送波形を確認
同社は、独自の光接続技術や、25GBaudの高速動作を可能にする高周波設計技術などの要素技術の開発を進めてきた。これらをベースに、50Gビット/秒で伝送可能な光通信モジュールを試作し、良好な光伝送波形を得ることに成功した。
PCやスマートフォン、タブレットなど、電子デバイスが扱う情報量の増加に伴い、アクセス系ネットワークの通信速度も増している。さらに、将来の5G(第5世代移動通信)やBeyond 5G、オール光ネットワーク時代では、メトロコアネットワーク系の高速化も見込まれる。今回の試作は、こうした市場のニーズに応える。
今後は、光導波路を用いた機器内オンボード伝送、光並列伝送、車載機器への搭載を見据えた開発を進め、1デバイスあたり800Gビット/秒の伝送速度を目指す。
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