プライベートLTE、ローカル5G向け小型アンテナ:日本航空電子工業 AN01シリーズ
日本航空電子工業は、小型高性能アンテナ「AN01」シリーズの周波数帯域を拡張した。実装基板上に周波数調整用のパターンを追加するだけで、プライベートLTEとローカル5Gに対応できる。全方位の送受信に対応し、最大80%以上の放射効率を誇る。
日本航空電子工業は2021年3月、プライベートLTEやローカル5Gに対応するため、小型高性能アンテナ「AN01」シリーズの周波数帯域を拡張したと発表した。プライベートLTE向けの1.9GHz帯と3.3G〜3.8GHz帯、ローカル5G向けの4.6G〜4.9GHz帯の3種類をラインアップしている。
放射効率は最大80%以上
AN01シリーズは、これまでWi-Fi、Bluetooth対応製品を販売してきた。新製品は、アンテナ部が従来品と同一のため、アンテナを実装する基板上に周波数調整用のパターンを追加するだけで、プライベートLTEとローカル5Gに対応できる。
新製品はいずれも全方位の送受信に対応し、10分の1波長程度のサイズながら最大80%以上の放射効率を誇る。インピーダンスは50Ωで、使用温度範囲は−40〜+125℃。製品サイズは、プライベートLTE向けの「AN012400」が12.5×7.25×1.9mm、ローカル5G向けの「AN01DL25」が13.9×8.8×2.0mmだ。
従来品と同様、部品近接配置が可能で、設計自由度が高い。また、表面実装構造(SMD)でマウンターによる自動実装やリフローにも対応し、実装コストの削減にも貢献する。
工場、空港、病院における監視カメラや遠隔作業支援、農業など一次産業での各種ロボット、自治体の防災防犯用機器、オンライン教育などで使用する無線モジュール用アンテナに適している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 高い放射効率を有する小型アンテナ
日本航空電子工業は、高い放射効率を有する小型アンテナ「AN01」シリーズの販売を開始した。最大90%以上の高い放射効率を誇り、製品の横幅が対応する波長の10分の1程度に抑えられている。 - 600M〜6GHzに対応、5GおよびセルラーLPWA向けアンテナ
タイコ エレクトロニクス ジャパンは2020年10月、5G、NB-IoT、LTE-M向けの新しいアンテナを発表した。600M〜6GHzの周波数帯域に対応し、IoT用セルラー機器での利用を見込む。 - 5Gなど各種通信方式に対応する外付けアンテナ
日本モレックスは、5G、LTE、Wi-Fi、Bluetoothに対応した外付けアンテナ6製品を発表した。小型デバイスに搭載しやすいサイズで、IoTやさまざまなワイヤレスネットワーキングでの利用を見込む。 - Raspberry Piに接続可能な920MHz帯無線モジュール
ラピスセミコンダクタは、Raspberry Piに接続可能な920MHz帯無線通信用の無線モジュール「Lazurite Pi Gateway」を発売した。920MHz帯無線通信とインターネット回線のゲートウェイを容易に作製できる。 - 4K/60p解像度に対応したHEVC/H.265コーデック
ソシオネクストは、4K/60pの解像度に対応したHEVC/H.265コーデックLSI「SC2M50」を開発した。YUV4:2:2フォーマット10ビット入出力を備え、プロフェッショナル向け映像機器に対応する。 - 5Gミリ波システム対応のRFデータコンバーター
アナログ・デバイセズは、4G LTEや5Gミリ波無線などのワイヤレス機器向けに、アナログ信号処理とデジタル信号処理を組み合わせた、ミックスドシグナルフロントエンドRFデータコンバータープラットフォーム「AD9081」「AD9082」を発表した。