マイコンでカメラモジュールから直接画像を取り込む方法：Q&Aで学ぶマイコン講座（79）（2/3 ページ）

マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、中級者の方からよく質問される「マイコンでカメラモジュールから直接画像を取り込む方法」についてです。

[小谷豊（STマイクロエレクトロニクス），EDN Japan]

　パラレル信号によるインタフェースについて、STマイクロエレクトロニクス（以下、ST）の汎用32ビットマイコン「STM32H7シリーズ」を使用した例を説明します。

マイコンとカメラとのパラレル信号接続インタフェース例

　パラレル信号によるインタフェースについてSTのSTM32H7マイコンを使用した例を紹介します（図1）

図1：マイコンとカメラとの接続インタフェース例［クリックで拡大］

　画像転送に使用する信号は、以下4種類です（表1）

信号名	動作
ピクセルクロック信号（DCMI_PIXCLK）	マイコンはピクセルクロック信号の立ち上がりエッジもしくは、立ち下がりエッジに同期してデータ信号を取り込む
垂直同期信号（DCMI_VSYNC）	垂直同期信号の立ち上がりエッジもしくは、立ち下がりエッジに同期して画像データの開始を検出
水平同期信号（DCMI_HSYNC）	水平信号の立ち上がりエッジもしくは、立ち下がりエッジに同期して画像データの水平ライン開始を検出
データ信号（DCMI_D0 〜 DCMI_D8）	ピクセルのデータをパラレル信号で転送。今回の例では8ビットですが、カメラモジュールによって10ビットやその他のビット数でも接続可能
表1：画像転送に使用する信号

　これらの信号は、カメラモジュールからマイコン側へ送信されます。マイコンはカメラモジュールのタイミングに合わせて、画像データを受信します。

　ピクセルクロック信号、垂直同期信号、水平同期信号は、カメラモジュールの仕様によって立ち上がりエッジと立ち下がりエッジどちらのタイミングで動作するかが異なるため、パラレル信号インタフェースの設定を合わせる必要があります。