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マイコンでカメラモジュールから直接画像を取り込む方法Q&Aで学ぶマイコン講座(79)(3/3 ページ)

マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、中級者の方からよく質問される「マイコンでカメラモジュールから直接画像を取り込む方法」についてです。

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画像の転送データフォーマット

 STM32H7マイコンのカメラ用パラレル信号インタフェースで使用可能な画像転送データフォーマットには、主に次の4つがあります(表2

<strong>表2:使用可能な画像転送データフォーマット</strong>[クリックで拡大]
表2:使用可能な画像転送データフォーマット[クリックで拡大]

 JPEGを除く転送データフォーマットは図2のように、WORD単位でメモリ上に格納されます。JPEGの場合はビットストリームがそのまま、メモリ上に格納されます。

<strong>図2:画像データのメモリ上への格納</strong>[クリックで拡大]
図2:画像データのメモリ上への格納[クリックで拡大]

カメラ信号の取り込みからディスプレイ表示までの処理フロー

 次に、カメラ信号の取り込みからディスプレイ表示までのマイコンの処理フローを説明します。主な手順として以下の7つが挙げられます。

No 手順 処理内容 使用するペリフェラル
1 カメラモジュールの設定 カメラモジュールの設定をI2Cインタフェースで行います。
設定内容の例は下記の通りです。
・ピクセルクロック周波数設定
・ピクセルフォーマット設定(モノクロ、RGB565、YCbCr 4:2:2)
・各信号線の極性(ピクセルクロック信号、垂直同期信号、水平同期信)
・その他画質に関する設定:色補正/露出蛍光灯のちらつき抑制用周波数
I2C
2 カメラモジュールからのデータ取り込み カメラ用パラレルインタフェース(DCMI)を使用してカメラモジュールからのデータを取り込みます。DCMIには8ワード分のFIFOがあり、データを連続的に取りこぼしなく取り込みます。 DCMI
3 カメラ用パラレルインタフェースからSDRAMへのデータ転送 カメラモジュールからのデータ取り込みをトリガーとして、SDRAMへ画像データを保存します。DMAには各チャンネルに4ワード分のFIFOがあり、データを連続的に転送します。 DMA
4 ピクセルフォーマット変換 カメラモジュールから取得したデータをディスプレイのピクセルフォーマットに適したフォーマットに変換します。 DMA2D
5 画像サイズ変換 ディスプレイの画面サイズに合うようにデータの画像サイズを変換します。 CPU
6 SDRAMからディスプレイインタフェースへのデータ転送 SDRAMに保存された画像データをディスプレイインタフェースへ連続的に転送します。 DMA
7 ディスプレイ信号出力 DMAから受け取ったデータをディスプレイ信号として出力します。 LTDC

参考資料

 より詳細なDCMIの使用方法については、アプリケーションノート「AN5020 Digital camera interface(DCMI)for STM32 MCUs」で紹介されています。

 また、STから、カメラの画像取り込みに最適な評価ボードカメラモジュールカメラを使用したAI(人工知能)機能のサンプルプログラムなども提供されています。

(次の記事を読む)

Q&Aで学ぶマイコン講座:過去の質問一覧はこちら

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