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電源入力とモーター出力を逆に配線してしまったらどうなる!? ――7.5kWインバーターの修理(3)Wired, Weird(2/2 ページ)

今回も7.5kWインバーターの修理の続きだ。修理したインバーターを発送して1カ月後に「電源入力とモーター出力を逆に配線してしまった」と連絡があった――。

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漏れ電流を測定してみた

 次に電気的な漏れ電流を測定してみた。確認方法は12Vの電源に赤LEDと抵抗680Ωを直列接続して+電源とUVW端子、UVW端子と−電源の漏れ電流を測定してみた。結果を図4に示す。


図4:+電源とUVW端子、UVW端子と−電源の漏れ電流を測定した様子[クリックで拡大]

 図4の上側はUVW端子と−端子の漏れ電流を測定し、下側は+端子とUVW端子の漏れ電流を測定したものだ。ワニ口クリップの黒が0V電源で赤が12V電源に接続している。

 測定した結果は図4の上側はUVW端子とも数マイクロアンペアの漏れ電流があり、少し劣化していた。図4の下側は特にVW端子で10mA近くの漏れ電流があり、破損していた。やはり、パワーモジュールは破損していた。漏れ電流の測定結果を図5に赤文字で記入した。


図5:漏れ電流の測定結果[クリックで拡大]

 図5の上下に赤文字で漏れ電流を表示した。VとW端子のHigh側のIGBTが破損していた。

 他のIGBTも少し劣化していた。RST端子とUVW端子を逆に接続したまま、RUN操作しなければ、IGBTは破損していなかったはずだ。この時に接続ミスに気づいていればIGBTモジュールが破損することはなかっただろう。

モジュールを交換し、無事に修理完了

 手配していた代替のパワーモジュールが10日程度で到着したので基板に実装して、依頼者へ発送した。パワーモジュールの交換を2度したので、基板のダメージが少し気になったが正常に動作できるだろう。数日後、正常に動作したと連絡があった。これでやっと修理が完了した。

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