ハード/ソフト両面のセキュリティ機能を搭載したBLE SoC:ノルディックセミコンダクター nRF54L
ノルディックセミコンダクターは、Bluetooth LE SoC(System on Chip)の新シリーズ「nRF54L」を発表した。同社従来品と比べて処理能力が倍増した一方で、消費電力は低減した。
ノルディックセミコンダクターは2023年10月、Bluetooth LE(Low Energy)SoC(System on Chip)の新シリーズ「nRF54L」を発表した。既にサンプル品の提供を開始している。
同シリーズは、TSMCの22nmプロセスを採用。1.5Mバイトのフラッシュメモリと256KバイトのRAM、128MHzで動作するArm Cortex-M33プロセッサを搭載している。同社従来品の「nRF52840」と比べて処理能力が倍増した一方で、消費電力は低減している。
また、次世代IoT(モノのインターネット)に対応すべく、ハードウェアおよびソフトウェアのセキュリティ機能を備えた。PSA認証レベル3やセキュアブート、セキュアストレージ、セキュアファームウェアアップデートなどのセキュリティサービスに対応している。サイバー攻撃を検知して防ぐタンパーセンサーや、サイドチャンネル攻撃対策を強化した暗号アクセラレーターも採用した。
マルチプロトコル無線通信機能を採用
通信機能は、マルチプロトコル無線を採用。1Mビット/秒のBluetooth LEにおいて、TXパワー(1dB増分)が最大+8dBm、RX感度が−98dBmとなった。
また、同社独自の2.4GHzプロトコルを対象とした4Mビット/秒のデータレートのオプションを追加した。スループットや効率が向上し、レイテンシが改善している。Bluetooth 5.4の全機能に加えて、Bluetooth MeshやMatter、Threadをサポートした。
グローバルRTC(リアルタイムクロック)ペリフェラルにより、最も深いスリープモードからSoCを起動できる。外部RTCが不要となるため、長期間スリープ状態となっているアプリケーションの消費電力を削減し、バッテリーの長寿命化につながる。
サンプル品のパッケージには、31本のGPIOを備えた6×6mmのQFNを採用。加えて、32本のGPIO(300μmピッチ)や14本のGPIO(350μmピッチ)を備えた2.4×2.2mmのWLCSPも2種類用意した。同じくWLCSPを採用しているnRF52840と比較して、サイズが50%小型化している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 独自システムマネジメント機能搭載、多機能PMIC
ノルディックセミコンダクターは、パワーマネジメントIC「nPM1300」を発表した。通常は個別で組み込む監視システムや残量ゲージ機能など多数の機能を、1チップに集積している。 - 第4世代のマルチプロトコルSoC
ノルディックセミコンダクターは、同社の第4世代のマルチプロトコルSoC(System on Chip)「nRF54H20」の販売を開始した。Bluetooth 5.4やLE Audio、Bluetoothメッシュ、Matter、Threadといった規格に対応する。 - 充電器やパワーレール4本を搭載したPMIC
ノルディックセミコンダクターは、PMICの最新モデル「nPM1300」を発表した。大型バッテリー向けの充電と4本のパワーレールを備え、SoC「nRF5340」のホストや、センサーなど複数の周辺機能を備えるIoT製品に適する。 - デュアルバンドWi-Fi 6チップ
ノルディックセミコンダクターは、デュアルバンドWi-Fi 6チップ「nRF7002」の販売を開始した。同社初のWi-Fiチップで、これまでのBluetooth、セルラーIoTに加え、Wi-Fi対応の製品も提供可能になった。 - BLE Audio製品開発向け設計プラットフォーム
ノルディックセミコンダクターは、Bluetooth LE Audio製品の開発向け設計プラットフォーム「nRF5340 Audio Development Kit」を発売した。デュアルコア構造のワイヤレスSoCやPMICを搭載し、高音質、低消費電力のオーディオ製品開発を支援する。