ブラシレスDCモーター向け、3相スマートゲートドライバーIC:ルネサス RAA306012、RAJ306101、RAJ306102
ルネサス エレクトロニクスは、ブラシレスDCモーター向けの3相スマートゲートドライバーIC「RAA306012」とマイコン、ゲートドライバーICを1パッケージに搭載した2種類のモーター制御IC「RAJ306101」「RAJ306102」の販売を開始した。
ルネサス エレクトロニクスは2023年12月、ブラシレスDC(BLDC)モーター向けとして、3相スマートゲートドライバーIC「RAA306012」とマイコン、ゲートドライバーICを1パッケージに搭載した2種類のモーター制御IC「RAJ306101」「RAJ306102」の販売および量産を開始したと発表した。
RAA306012は、動作電源電圧が6〜65V。ゲート駆動ピーク電流が0.64A(ソース)、1.28A(シンク)となっていて、16段階で調整できる。また、アダプティブデッドタイムやアジャスタブルデッドタイムにも対応した。
スリープモードに対応したVCC LDOや、マイクロコントローラー電源用の100mA LDOを内蔵する。また、ゲート駆動電圧を生成する電圧調整可能な500mA降圧スイッチングレギュレーターも備えた。
4段階のゲイン設定が可能な差動アンプ3つに加えて、BEMF検出アンプ、3つのコンパレーターも搭載している。他に、各電源の電圧降下や過電流、サーマルシャットダウン、MOSFETのVGS異常といった保護機能を備えた。
モーター停止状態でも最大トルク出力が可能
同社独自のモーター制御技術を組み合わせることで、センサーレスBLDCモーターが停止している状態でも最大トルク出力が可能となる。ロボットアームやAGV(自動搬送車)などでの用途にも適する。
同時に発表したモーター制御ICは、2種ともにマイクロコントローラーを内蔵する。RAJ306101が同社の32ビットマイクロコントローラー「RX13T」を、RAJ306102が16ビットマイクロコントローラー「RL78/G1F」を採用している。アシストロボットや電動アシストバイク、多機能プリンタ内の各種モーターといった用途に適する。
パッケージは、RAA306012が7×7mmの48ピンQFN、RAJ306101が8×8mmの56ピンQFN、RAJ306102が8×8mmの64ピンQFNをそれぞれ採用した。各ICに向けた評価キットも提供する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 高速回転モーター向け、デュアルコイルセンサー技術採用IPS
ルネサス エレクトロニクスは、回転速度が速いモーター用途向けに、IPSの新製品を発表した。新たに開発したデュアルコイルセンサー技術を採用し、2つの受信コイルに由来する信号を1つのICで扱える。 - 最大動作周波数48MHzのCPU搭載、16ビットマイコンの最上位モデル
ルネサス エレクトロニクスは、16ビットマイクロコントローラー「RL78/G24」の販売を開始した。最大動作周波数が48MHzのCPUや、CPUと独立して稼働するアプリケーション特化型のFAAを備える。 - 宇宙環境対応の電力供給リファレンスデザイン
ルネサス エレクトロニクスは、AMDの「XQRVC1902」向けに、宇宙環境に対応した電力供給のリファレンスデザイン「ISLVERSALDEMO2Z」を発表した。PWMコントローラーとGaN FETハーフブリッジドライバ、POLレギュレーターを備える。 - DDR5向け第3世代RCD、第1世代CKD
ルネサス エレクトロニクスは、DDR5メモリモジュール向けに、第3世代RCD ICと第1世代CKD ICを発表した。サーバ用とクライアント用DIMMの6400MT/秒、7200MT/秒をサポートする。 - RA/RXファミリのモーター制御マイコン、新3グループ
ルネサス エレクトロニクスは、モーター制御用の32ビットマイクロコントローラー「RA4T1」「RA6T3」「RX26T」グループの量産と販売を開始した。メモリやパッケージ展開を含め、35品種以上を提供する。