マルチモーダルAI向けマイクロコントローラー:ルネサス RA8D1
ルネサス エレクトロニクスは、音声やビジョンを用いるマルチモーダルAI用途に適したマイクロコントローラー「RA8D1」グループを発売した。Arm Cortex-M85を採用した「RA8」シリーズの第2弾となる。
ルネサス エレクトロニクスは2023年12月、音声やビジョンを用いるマルチモーダルAI(人工知能)用途に適したマイクロコントローラー「RA8D1」グループを発表した。既に量産販売している。
同グループは、最大動作周波数480MHzのArm Cortex-M85プロセッサを採用した「RA8」シリーズの第2弾となる。第1弾の「RA8M1」と同じく、組み込みシステムのCPUの性能を示すCoreMarkベンチマークが6.39CoreMark/MHzとなった。
加えて、最大WXGA(1280×800)の解像度に対応したLCDコントローラーや、外部LCDへのパラレルRGBおよびMIPI-DSIインタフェース、16ビットカメラインタフェース、2Dグラフィックエンジン、32ビット外部SDRAMインタフェースといったグラフィックス周辺機能を備えている。
DSP、MLの処理性能が向上
また、RA8シリーズでは、ArmのMプロファイルベクトル演算拡張機能やArm Heliumテクノロジーを採用。ルネサス エレクトロニクスによると、Cortex-M7コアを用いた既存のマイクロコントローラーと比較して、DSPやML(機械学習)の処理性能が最大4倍向上するという。
メモリは、2Mもしくは1Mバイトのフラッシュメモリ、1MバイトのSRAMを搭載。セキュリティ面では、暗号化アルゴリズムやTrustZone、イミュータブルストレージ、セキュアブート、DPAおよびSPA攻撃保護付き改ざん防止機能などを備えた。
パッケージは、176ピンのLQFPもしくは224ピンのBGAを選択可能。システム開発に当たっては、同社のフレキシブルソフトウェアパッケージに統合されたマイクロソフトのGUIXや、SEGGERのGUIソリューション「emWin」、オープンソースのLVGL(Light and Versatile Graphics Library)を使用できる。
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