ニュース
EV/ESS向けの双方向充電可能なSiCパワー統合モジュール:オンセミ EliteSiC PIM
オンセミは、EV向けDC高速充電器とESS向けの双方向充電機能を有する、9種の「EliteSiCパワー統合モジュール(PIM)」を発表した。従来のSi(シリコン) IGBT製品に比べてサイズを最大40%、重量を最大52%低減できる。
オンセミは2024年1月、EV(電気自動車)向けDC高速充電器とESS(エネルギー貯蔵システム)向けの双方向充電機能を有する、9種の「EliteSiCパワー統合モジュール(PIM)」を発表した。
15分でバッテリーを最大80%充電
高効率でシンプルな冷却機構を採用し、従来のSi(シリコン) IGBTベースのソリューションに比べてサイズを最大40%、重量を最大52%低減できる。EliteSiC PIMを採用することで、小型かつ軽量ながら、15分でEVのバッテリーを最大80%充電するシステムを開発できる。
25k〜100kWの出力電力をサポートし、双方向充電を含む複数のDC急速充電とESSプラットフォームを迅速に展開できる。オンセミの「Gen3 M3S」SiC(炭化ケイ素) MOSFET技術を使用していて、低スイッチング損失と高効率を可能にした。
パッケージは、F1およびF2を採用。熱界面材料(TIM)の事前塗布と圧力ピンをオプションで備えている。最適な熱管理が可能になるため、過熱によるシステム障害を回避できる。
同社では、各モジュールに同じウエハーからのダイを使用している。他社のディスクリート製品を使用する必要がなく、性能にばらつきが生じることもない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 電池寿命を最大40%延長、小型低消費電力のイメージセンサー
オンセミは、スマートホームやオフィス向けのイメージセンサーファミリー「Hyperlux LP」を発表した。低消費電力モードでの動作に対応し、5〜20Mピクセルの3種をラインアップにそろえた。 - SiCパワーデバイスでEVの走行距離を5%伸ばす
SiCパワーデバイスの市場はある程度成長しているものの、一部の自動車メーカーでは、SiCパワーデバイスの採用をためらう傾向もまだみられる。本稿では、電気自動車(EV)のトラクションインバーターにSiCパワーデバイスを採用した際の利点を解説する。 - LFM機能搭載、ADAS向け車載用イメージセンサー
オンセミは、車載用イメージセンサーファミリー「Hyperlux」を発表した。ADAS向けに2.1μmのピクセルサイズ、150dBのHDR、全車載温度範囲でのLFM機能を搭載している。 - デュアル誘導型回転位置センサー
オンセミは、デュアル誘導型回転位置センサー「NCS32100」を発表した。誘導型センサーの設計に関する同社の知識を活用し、誘導型エンコーダーの高信頼性と一般的な光学式エンコーダーの精度および速度を備えている。 - トップサイド冷却パッケージ採用MOSFET
オンセミは、トップサイド冷却パッケージを採用したMOSFETデバイスシリーズを発表した。上面にサーマルパッドを設けており、PCBを介さずに直接ヒートシンクに放熱できる。