マイクロプロセッサと一緒に使う部品と選び方:マイクロプロセッサQ&Aハンドブック(2)(3/4 ページ)
マイクロプロセッサ(MPU)を使用したボードを開発するユーザーが抱えるさまざまな悩みに対し、マイクロプロセッサメーカーのエンジニアが回答していく連載「マイクロプロセッサQ&Aハンドブック」。今回は、「マイクロプロセッサと一緒に使う部品と選び方」について紹介します。
外部メモリ(外付けRAM/外付けフラッシュメモリ)の選定
マイクロプロセッサを使用したシステムには、外部メモリとして外付けRAMと外付けフラッシュメモリが必要です。
外付けRAMにはさまざまな種類がありますが、マイクロプロセッサで使用できる種類は限られています。また、最大クロック周波数についても、メモリ規格で定義されている最大周波数がマイクロプロセッサで使用できるとは限りません。例として、STのSTM32MP1シリーズのプロセッサで使用可能なメモリの種類と最大クロック周波数を表3に示します。
実際のデバイス選定においては、製品の要求仕様や入手性、価格を加味して考慮する必要があります。バッテリー駆動機器など低消費電力が求められる製品では、メモリ電圧が低く、低消費電力なモバイル機器向けメモリ(LPDDR2やLPDDR3)を使用することでバッテリー駆動時間を長く保つことができます。また、特別な要求仕様のない場合は、DDR3Lといった入手性と価格に優れたメモリが適しています。
外付けフラッシュメモリは、種類によって特性が異なり、全ての種類のフラッシュメモリがマイクロプロセッサで使用できるとは限りません。また、読み書きは可能だが直接ブートはできないものもあります。表4は、外付けフラッシュメモリの種類と特性、STのSTM32MP1シリーズでの使用可否例についてまとめたものです。実際の選定においては、製品で使用したいメモリ容量、コストや信頼性などを含めて判断します。
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