Cortex-R52を16個搭載、SDVのセントラルコンピューティングシステム向けプロセッサ:ECUの数や配線を削減
NXPセミコンダクターズは、SDV(Software Defined Vehicle)のセントラルコンピューティングシステム向けプロセッサ「S32N55」を発表した。アイソレーションされた実行環境で、車両機能を安全に統合でき、従来は機能ごとに必要だったECUの数や配線を削減できる。
NXPセミコンダクターズは2024年4月、SDV(Software Defined Vehicle)のセントラルコンピューティングシステム向けプロセッサ「S32N55」を発表した。安全なリアルタイム処理とアプリケーション処理の組み合わせにより、セントラルコンピューティングのニーズに対応する。主要ユーザー向けに、既にサンプルの提供を開始している。
同製品は、リアルタイム演算用に、1.2GHzで動作するスプリットロック方式のArm Cortex-R52プロセッサを16個搭載する。アイソレーションされた実行環境で、車両機能を安全に統合でき、従来は機能ごとに必要だったECU(電子制御ユニット)の数や配線を削減できる。
スプリットモードやロックステップモードで動作でき、ISO 26262 ASIL Dまでの機能安全レベルに対応した。補助として、ロックステップ方式のArm Cortex-M7コアを2個採用している。
拡張メモリに対応
統合メモリのほか、48MバイトのシステムSRAMを搭載。メモリは、LPDDR4X、LPDDR5、LPDDR5X DRAMやNANDフラッシュ、NORフラッシュで拡張することも可能だ。
TSN(Time-Sensitive Networking)2.5Gビット/秒のイーサネットスイッチ、24個のCAN FDパスを内部ルーティングするCANハブ、CAN XLインタフェース4個、PCI Express Gen 4インタフェースも備えた。
OTA(Over-the-Air)アップグレード機能にも対応。各車両機能を個別にソフトウェアアップデートできる。
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