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マイクロプロセッサを使用したシステム、回路設計時に重要なポイントはマイクロプロセッサQ&Aハンドブック(3)(7/7 ページ)

マイクロプロセッサ(MPU)を使用したボードを開発するユーザーが抱えるさまざまな悩みに対し、マイクロプロセッサメーカーのエンジニアが回答していく連載「マイクロプロセッサQ&Aハンドブック」。今回は、「回路設計時の重要ポイント」について紹介します。

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ブートソース選択回路

 ブート時にどの外付けフラッシュメモリのインタフェースから起動するのか、ブートピンを設定する必要があります。STM32MP1シリーズでは、BOOT0、BOOT1、BOOT2がブートソース選択用の信号になります。また、外付けフラッシュメモリ書き込み時にはUSB書き込み用のブートモードに設定する必要があります。そのため、ブートソース選択回路は、ジャンパーやディップスイッチなどで設定変更可能にしておくことを推奨します。

デバッグ用回路

 デバッグ時に必要な回路として、コンソール出力用のUART、SWD/JTAGインタフェース、デバッグLEDがあります。マイクロプロセッサでは、ブートローダーを基板の構成にあわせてカスタマイズする必要があります。このブートローダーをデバッグする際、UART、SWDもしくは、JTAGインタフェースが使用可能だと、効率的にデバッグが可能です。UARTのピンアサインを評価ボードと同じにしておくと、評価ボードの設定を流用可能なため、ブートローダーのカスタマイズ時に設定ミスによるトラブルを回避できます。また、ブートローダーが正常に起動したかどうかを判断するLEDのピンアサインがブートROMおよびブートローダーによって決まっているので、このピンはデバッグ用にLEDを接続することを推奨します。

プログラムの書き込み方法

 外付けフラッシュメモリへのプログラムを書き込むために、書き込み用のUSB端子をボード上にアクセス可能な形で出しておく必要があります。STM32MP1シリーズの場合はUSB2がUSBOTG対応可能で、こちらをプログラム書き込み用のUSBとして使用できます。プログラム書き込みの際には、STM32MP1シリーズの場合はSTM32CubeProgrammerを使用して、プログラムを外付けフラッシュメモリへ書き込みます。

エラッタ

 マイクロプロセッサはマイコンに比べ回路規模が大きく、ハードウェア上の問題がある場合があります。その際には、半導体メーカーのエラッタシートに回避方法が記載されているので、回路設計時にはこちらも参照する必要があります。

参考文献

  • アプリケーションノートAN5474 Getting started with STM32MP13x lines hardware development
  • アプリケーションノートAN5586 STM32MP13x lines discrete power supply hardware integration
  • アプリケーションノートAN5692 DDR memory routing guidelines for STM32MP13x product lines
  • データシートDS13483 STM32MP135C STM32MP135F
  • 評価ボードSTM32MP135F-DK回路図 MB1635-DK-E02 Board schematic
  • エラッタシート ES0539 STM32MP13x device errata

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