3.5×10mmの小型BLEモジュール第2弾を発表、FDK:周辺部品の配置の自由度が向上
FDKは、Bluetooth Low Energyモジュールの第2弾として「HY0021」を発表した。東芝のSASP技術の採用により、アンテナ周辺の配線禁止エリアが不要になり、モジュール周辺部品の配置の自由度を高めた。
FDKは2024年5月、Bluetooth Low Energyモジュール製品の第2弾として「HY0021」を発表した。同年7月下旬から、国内の顧客に向けてサンプル出荷を開始する。
HY0021と2023年9月に発表した「HY0020」は、スロットアンテナの大部分をモジュールの上面に配置する、SASP(Slot Antenna on Shielded Package)技術を用いて開発した。SASPは東芝の独自技術で、FDKは東芝からライセンスを受けている。
このSASP技術によって、アンテナ周辺の配線禁止エリアが不要になり、センサーや電池などモジュール周辺部品の配置の自由度が高まった。
内蔵ICの変更とGPIO本数の見直しでコストを削減
HY0021は、高速水晶振動子(メインクロック用、32MHz)と低速水晶振動子(低消費電力モード用、32.768MHz)、電源周辺の受動部品を内蔵している。これにより、センサーと電池をHY0021に接続するだけで、低消費電力通信が利用できる。
内蔵のBluetooth ICはノルディックセミコンダクターの「nRF52805」を、CPUは「Arm Cortex-M4」を採用。内蔵ICの変更とメモリ容量やGPIO本数を見直すことで、コストを削減している。サイズはHY0020と同じ3.5×10mmだが、電波放射性能が向上している。
送信電力は+4〜−20dBmまで可変で、汎用GPIO数は8本(UART、SPI、TWI、QDEC、ADC)となる。動作温度範囲は−40〜+85℃、動作電圧範囲は1.7〜3.6V、重さは約0.08g。電源は、内蔵の高効率DC-DC、LDOおよびDC-DC用インダクターで管理する。
主な用途として、ウェアラブル機器、小型医療機器、ビーコンをスマートフォンに伝える紛失防止タグ、見守りタグなどを見込む。
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