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USB Type-Cの電源制御ってどうやっているの?Q&Aで学ぶマイコン講座(93)(3/10 ページ)

マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、中級者の方からよく質問される「USB Type-Cの電源制御方法」についてです。

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USB Type-Cのコンフィギュレーションプロセス

 コンフィギュレーションプロセスは次の通りです。

ソース/シンクの接続/切断検知

 最初に、USB Type-CレセプタクルのCCピンの1つがGNDへの抵抗を検知すると、ホストまたはハブポート(ソース)によってソースからシンクへの接続が検知されます(図1

<strong>図1:ソース/シンクの接続/切断検知</strong>
図1:ソース/シンクの接続/切断検知[クリックで拡大]

 その後、USB Type-Cレセプタクルで終端されていたCCピンがGNDに終端されなくなると、ソースからシンクへの切り離しが検出されます。

 ソースが接続されたデバイス(シンク)ポートの存在を検出するまで、USB Type-Cホストまたはハブのレセプタクル(VBUSまたはVCONN)には電源が供給されません。ソースからシンクへの接続が検出されると、ソースはレセプタクルへの電力を有効にし、接続されたデバイスで通常のUSB動作に進みます。切断を検知すると、VBUSを供給しているポートは電力を停止します。

 ソース側の供給能力によって、ソース側のプルアップ抵抗値は異なります(表3)。ソースとシンク接続時のCCライン電圧は、ソース側プルアップ電圧をソース側プルダウン抵抗値とシンク側プルダウン抵抗値で分圧した値となります。そのため、シンク側はソースとシンク接続時のCCライン電圧値から、ソース側の供給能力を知ることができます。また、5V/3Aを超える供給能力が必要な場合、後述するPower Deliveryによるネゴシエーションが必要になります。

表3:ソース側プルアップ抵抗値とシンク側プルダウン抵抗値
ソース側供給能力 ソース側プルアップ抵抗値Rp シンク側プルダウン抵抗値Rd ソースとシンク接続時のCCライン電圧
プルアップ電圧VBUS 5Vの場合 プルアップ電圧3.3Vの場合 プルアップ電圧VBUS 5Vの場合 プルアップ電圧3.3Vの場合
5V/500mA 56kΩ 36kΩ 5.1kΩ 5V*5.1k/(56k+5.1k)= 0.42V 3.3V*5.1k/(36k+5.1k)= 0.41V
5V/1.5A 22kΩ 12kΩ 5V*5.1k/(22k+5.1k)= 0.94V 3.3V*5.1k/(12k+5.1k)= 0.98V
5V/3A 10kΩ 4.7kΩ 5V*5.1k/(10k+5.1k)= 1.69V 3.3V*5.1k/(4,7k+5.1k)= 1.72V

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