ほぼ熱を発生させない強燃性冷媒R290用ガスセンサー:旭化成エレクトロニクス Sunlight R290
旭化成エレクトロニクスの子会社であるセンスエアは、強燃性冷媒R290用ガスセンサー「Sunlight R290」を開発した。非分散赤外線技術を採用し、ほとんど熱を発生させないため、高い安全性を保ちながら運用できる。
旭化成エレクトロニクスは2024年8月、子会社のセンスエアが強燃性冷媒R290用ガスセンサー「Sunlight R290」を開発し、同年9月より量産出荷を開始すると発表した。
Sunlight R290は、欧州市場を中心に、空調機器の冷媒として利用拡大が見込まれる冷媒ガスR290(プロパン)を検出可能なガスセンサーだ。R290を使用する空調機器の安全かつ高精度な冷媒リーク検出に利用できる。
熱を発生させない非分散赤外線技術を採用
LED光源とフォトダイオードセンサーを用いたNDIR(Non dispersive Infrared:非分散赤外線)技術を採用し、ほとんど熱を発生させない。そのため、強燃性のR290を冷媒に使う場合でも、高い安全性を保ちながら運用できる。
検知の際に振動や干渉ガスの影響を受けにくく、ロバスト性や信頼性の高い測定が可能だ。IEC60335-2-40規格の厳しいリーク検知要求を満たしている。センシング特性を自動で補正する自己補正アルゴリズム(ABC:Automatic Baseline Correction)を備えていて、メンテナンスの頻度が減らせる。
主な仕様は、測定レンジが0〜100%LFL、測定精度が2.5LFL、動作温度が−40〜+70℃(0〜95%RH)、想定寿命が通常環境下で15年以上、平均消費電流が94μA。パッケージサイズは、34×21×12mmとなっている。
主な用途として、パッケージエアコン、ルームエアコン、冷暖房製品、チラーユニット、除湿機、制御盤クーラーなどを見込む。
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