高度なタッチ機能を搭載した低消費電力マイコン:ルネサス RX261、RX260
ルネサス エレクトロニクスは、RXv3コア搭載の低消費電力マイコン「RX261」「RX260」グループを発売した。高いノイズ耐性と耐水性を備える静電容量式タッチセンサー「CTSU2SL」を実装する。
ルネサス エレクトロニクスは2024年10月、32ビットマイコンの「RX200」シリーズを拡充し、RXv3コア搭載の低消費電力マイコン「RX261」「RX260」グループを発売した。
RX261およびRX260は、CPU性能の指針となるCoreMarkベンチマークにおいて、64MHz動作時に355CoreMarkと、現在流通している同クラスのマイコンの2倍以上となるスコアを示した。電力効率にも優れ、アクティブモードで69μA/MHz、スタンバイモードで1μA/MHzの低消費電力となっている。
静電容量式タッチセンサーを実装
同製品は高いノイズ耐性と耐水性を備える、第3世代静電容量式タッチセンサー「CTSU2SL」を実装する。自動判定機能によって待機状態でもタッチ検出が可能で、間欠動作時の消費電流も削減できる。同社は開発支援ツール「QE for Capacitive Touch」や設計ガイド、サンプルプログラムを用意していて、これらを使用してさまざまなアプリケーションにタッチセンサーを容易に実装できる。
RX261は、安定した高速通信を可能にするCAN FDインタフェースのほか、USBファンクションコントローラーを搭載。内蔵の高速オンチップオシレーターで高精度なUSBクロックを生成可能で、外付けの水晶振動子がなくてもファンクションコントローラー機能を使用できる。
両製品は8Kバイトのデータフラッシュを搭載するため、外付けEEPROMが不要だ。256Kバイト、384Kバイト、512Kバイトのコードフラッシュ、128KバイトのSRAMも備える。
動作電圧範囲は1.6〜5.5V、動作周囲温度は−40〜+85℃/−40〜+105℃。パッケージはLFQFP(48、64、80、100ピン)、HWQFN(48ピン)で提供する。
主な用途として、家電製品、ビルディングオートメーション、FA、スマートロック、電動アシスト自転車、モバイルプリンタなどを見込む。
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